ねぇ赤ちゃん
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クラピカの帰りを待ちきれずに、リンはノストラードの屋敷に直行した。
そして着くなりすぐにクラピカと鉢合わせた。
「リン?今日は休めと言っただろう」
クラピカが心配そうに駆け寄り、リンの肩を支えた。
『えっ、大丈夫だよ!病気じゃないんだし…てゆーか病院行って来たよ!』
「本当か!どうだった?」
『できてたぁー!見る?ねぇ見る?私たちの赤ちゃん!』
リンは肩から下げたバックをゴソゴソ漁り、貰ってきたエコー写真をクラピカに差し出した。
「……これか?この……白い豆のような……」
『うん!可愛いでしょ?』
クラピカは何も言わず、長いことその写真を見つめ続けた。
まだ姿形もよく判らない白黒のそれ。
しかし今こうしている間ですら、この子は生まれてくる準備を着々と進めているのだ。
「……そこにいるのだな。我々に会いに来る為に、懸命に育っているのだな」
『そうだよ。私もクラピカも…こうやってお母さんのお腹の中で守られてたんだね』
「……母……か」
写真を見つめながら、クラピカは切なげに微笑んだ。
『どんな人だったの?クラピカのお母さん』
「明るく…優しい人だったよ。正義感も強くて信頼されていた」
懐かしいその姿を思いだしながら、クラピカは目を細めた。
『そっか…素敵なお母さんだね』
リンはクラピカに腕を絡め、肩に寄りかかった。
明るくて優しいお母さん……
そんなお母さんに、私もなれるかな?
リンは一度も見た事のない自分の母親にも、思いを馳せた。
『そういえば私さ、グレスと偶然出会った時に師匠の事とかは聞いたけど、自分の両親の事は全然訊いてなかったんだよね。
どんな人だったのか…ちゃんと訊けばよかった…』
リンは眉を下げてしゅんとした。
「そうだな。また会えたらその時に訊けばいい」
『絶対会えないよ…世界は広いもん』
「私が探し出してやるさ。世界に一人の同胞だろう?」
クラピカはリンの髪を撫でながら、優しく微笑んだ。
どきっ
前から思ってたけど、その目と笑顔は計算ですか?
何度やられてもときめいちゃうんだけど…
『…負けないからね!クラピカばっかり勝たせないもん!』
「?何の話だ?」
『こーゆー話!』
リンはクラピカの胸ぐらを掴んで引き寄せ、頬にチュッとキスをした。
どーだ!?参ったか!?
してやったりな笑みでクラピカの顔を覗くと、目をぱちくりと丸くしている。
『ふふっ!ドキドキした?』
「…頬で終わりか?」
『!!!』
その言葉にまたしてもドキーッと心臓を掴まれたリン。
クラピカは見透かすように悪戯な微笑みを浮かべている。
『う…ずるい…ずるいよクラピカは…』
「あはは!冗談だ。ドキドキしたよ」
『嘘つき!!』
一生勝てるわけない、この人には!
クラピカのお母さん…貴方の息子さんはかっこよくて余裕で意地悪で…
ホント素敵な男性に育ってますよ…トホホ
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