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それからすぐ、シャルと入れ替わるようにしてクラピカが帰ってきた。
「リン!!」
勢いよく玄関のドアを開けるなり大声で呼ばれ、リンはビクーッと体を浮かせた。
『なっ何!?どうしたの?…ってゆーか早かったね…』
「?……お前一人か?旅団の人間が来ていたのだろう?」
クラピカは青い顔で汗を滲ませ、周りを見回している。
『シャルが来たけど帰ったよ?……あ!もしかして……!』
やだ、私ってば!
あの時確か「旅団の奴に殺される」とかわめいちゃって……
キルアとゴンが心配してクラピカに連絡入れてくれたんだ!
「奴は何をしに!?何かされたのか!?まさか操作されたり…」
『してないよ!!大丈夫、何もしないで帰ってくれた。ごめんね、心配かけて…』
クラピカはリンの傍へ行き、無事を確認すると、長い長い溜め息を吐いてその場にしゃがみ込んだ。
『クラピカ!大丈夫!?』
リンも慌ててしゃがみ、声をかける。
「…電話…もらってからここに帰り着くまで…気が気じゃなかった…」
『………!』
そう言ったクラピカの声も肩も震えてる
触れた手は驚く程冷たくて……
クラピカがどんな想いで私を…いや、私達を心配していたかが痛い位に伝わってくる
『ごめん…ごめんね!私達は大丈夫だから!もう誰かに浚われたりなんてしないから……』
リンはクラピカを安心させるように強く抱き締めた。
「…よかった。温かい」
『うん…うん』
もう二度とこんな想い、させないから…
包み込みようなリンの腕の中で、クラピカは少しずつ落ち着きを取り戻していった。
『そういえば仕事は大丈夫だったの?途中で抜けてきたんでしょ?』
「ああ、後はセンリツに頼んできた。大丈夫だ」
『よかった。ホントすみません…』
「キルアとゴンもこちらへ向かうと言っていたから、無事だったと連絡を入れておこう」
『えっ、来るの?会いたいな!』
「二人は旅団がいるものと思って慌てて電話をくれたのだ。早く安心させてやれ」
『あう…はぁい…』
リンが渋りながら電話を入れると、ワンコールが鳴り終える前に勢いよくキルアが出た。
「お前大丈夫かよ!?まだ奴らそこにいるのか!?」
走って来ているのか声が跳ねる。
『あ、さっきはホントごめん…旅団っていっても実は顔見知りで…命の危険はないってわかってたんだけど…ホントごめん!』
電話越しにガバッと頭を下げるリン。
「はぁ?顔見知り?つーかとにかく無事なんだな!?クラピカは?」
『今隣りにいますっ』
「代わって」
言われるがまま携帯をクラピカに渡す。
「…キルアか?先程はすまなかった。リンは何事もなく無事だ。
……ああ。ありがとう。ゴンにも伝えてくれ」
淡々とした口調で、クラピカはあっさりキルアとの会話を終えた。
『キルア、何て?』
「何もなかったならと引き返すそうだ」
『……えー……』
リンは残念そうに頬を膨らませた。
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