結晶
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あれこれ考えすぎたせいか、リンは何だか具合が悪くなってきた。
神経性胃炎?
昔師匠がお兄ちゃん(クラピカの師匠)と組手をした時にお兄ちゃんが骨折した事があった
お兄ちゃんの腕が見た事ない形に曲がっちゃって、私はパニックを起こして胃炎になった
だから10年振りくらい
うう…痛い…
しかももたれる…
でも、もう考えるのはよそう!
クラピカを守る為に、ほんの少しの間だけ離れるんだ
私がちゃんとシャルとも旅団とも決着をつけてくるからね
クラピカは待ってて
絶対すぐに帰ってくるから
電話も出るから
…ああ…また暴走してるのかな私…
リンは一人、胸に固い誓いを携え、休職の許可を取るためにボスの元へ向かった。
途中、クラピカの執務室からセンリツが出てくるのが見えた。
げっ………
今会ったら心音聞かれてクラピカにチクられちゃうかな!
リンは気付かぬ振りをして、Uターンを図ろうとしたが、足音に気付いたセンリツに声をかけられてしまった。
「リン!丁度よかった。今日はコミュニティが行う集まりにボスと行く事になってるから…」
リンはしまったと思いながらも、笑顔を作り、センリツを振り返った。
『…あ、うん!クラピカもだよねっ?了解!ネオン様の警護は残った者でちゃんとやるから!』
心音で何か隠してる事はバレるだろうが、精一杯普通の自分を装った。
緊張しながら振り返ったのだが、センリツは何故かキョトンとしている。
そして黙ったまま動かなくなってしまった。
『……せ、センリツ?どうかした?』
「しっ!静かに」
不思議に思い声をかけると、人指し指を口に当てて発声を止められた。
そのまま静かに瞳を閉じ、何かを確認しているようだ。
一体どうしたんだろう?
私の心音を不審に感じたわけじゃないのかな?
あっ…!もしかして誰か侵入者が!?
はたまた裏切り者か!?
リンは思い浮かんだあらゆる可能性に備え、構えながら辺りをキョロキョロ見回した。
「…貴方の心音はその表情と同じで百面相ね」
静寂を打ち破り、センリツがクスッと笑って言った。
『……えっ!?あ……そう?』
予想外にも明るい声で言われ、リンは思っていたような危険な事態ではないのだと思い、表情を緩ませた。
『あはは、百面相とかよく言われる。あんま嬉しくないけど』
ヘラッと顔を緩ませると、センリツがリンの両手を握ってきた。
『………???』
「貴方、まだ気付いてないのね」
『えっ!!!な、何?何か変!?』
リンが体中を見渡すと、センリツはまたクスクス笑って首を横に振った。
「違うわよ。……貴方の体からね、心音が2つ聞こえるの」
『………は?』
リンは一瞬わけがわからずに抜けた声を漏らした。
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