操り姫
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『……っ……』
意思とは全く裏腹に、リンがシャルの首に腕を絡めた。
「シャル!!やめろ!!」
「近付くとホントリンの命ないよ?リンだって殺ろうと思えばこの手で殺せる」
「シャル!!」
「ちょっとは黙って見物してなって!」
いきり立つクラピカを無視して、シャルはリンの操作を続ける。
そして─────
『シャ、ル、スき』
!!!!!!
自分の口が勝手に動き、勝手に喋った。
なななななな!!!
何!?なんなの!?
こいつ、ターゲットの言葉も操れるの!!???
「あはははは!!リンの口から一度言わせて見たかったんだよな~!すきだって!!似合わな~~~!!」
シャルは一人で大喜び。
リンも笑いたくなどないのに、顔が勝手に綻び、笑顔を作らされる。
しかしその時点で、シャルが何度も携帯を操作し直し、何度も笑顔を作り変えられる。
「あれ~?どうやっても"アレ"と違うな~。なんでだ?」
大きな独り言を言いながら不思議そうにシャルが首を傾げる。
「???違うな~。こんな笑顔が見たいんじゃないんだけど…操ってる状態じゃ無理なのかな??」
シャルの首に腕を絡めたまま、変な笑顔を何度も作らされるリン。
かなり奇妙な光景だ。
「…ま、いいや。とりあえず続きしようかな」
笑顔は諦め、リンの体をまた操作し始めるシャル。
操作されたリンはシャルにギュッと抱きつき、作られた笑顔で言った。
『シャル。あいしテる』
ぎゃあああああ!!!
もうやめてぇぇぇぇ!!
私が悪かった!!言い過ぎた!!
謝るからもう許してっっ!(泣)
クラピカのっ…クラピカの前で……!!
てゆーか首すら動かないしクラピカが今どんな顔してるのかもわかんないよ!
「…リンが宿敵の腕の中にいるのに、随分落ち着いてるね」
シャルは不服そうな声でクラピカに語りかける。
「リンの意思とは無関係だからな。そんな事をして満足か?」
クラピカは先程よりもずっと落ち着いた口調で言葉を返した。
───よ、よかった
クラピカ、冷静でいてくれてる……
よかった!
リンは自由を奪われながらも、クラピカの静かな声を聞いて、胸の中の激しい不安が少し収まった。
「まぁね。だって素では絶対言ってくれないししてくれないから。さすがに満足ではないけど」
シャルも冷静に返す。
この男も随分手強い。
もっとも、普通の感覚を持った者が旅団になどいようはずもないのだが。
『シャルとずっト一緒ニいル。くらピカと別れル』
シャルが携帯で台詞を打ち込み、リンはその通りに言葉を発する。
リンはクラクラと眩暈に襲われた。
自分の口から一生出るはずのなかった言葉が次々と放たれる。
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