愛について
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リンはシャルの笑顔に鋭く冷たい視線を向けた。
『どういうつもり?』
「何が?先に攻撃してきたのはクラピカの方だけど」
『さっきの会話、聞こえてたんだ』
リンは先程のシャルの様子がいつもと違う事に気付き、屋敷に戻って来たのだ。
『あんた私の事、好きでもなんでもないでしょ!?クラピカを挑発する為に最低な嘘つかないでよ!!』
リンは二人の間に割って入り、クラピカを守るようにして立ち塞がった。
シャルは観念したように溜め息を漏らしながら頭を掻き、天井を仰いだ。
「…は~~、予定外。計画狂っちゃったな」
『やっぱりあんた、私達を殺す為に…』
「違うよ。二人を壊す為。かなり計画練ってたんだけど…」
心底ガッカリしたような顔で本心を明かすシャル。
しかし、リンは全く意味がわからず、怪訝そうに眉を寄せるだけ。
『……?クロロに頼まれた……?』
「はは、あの人がまさか。俺がリンを好きになったんだってば」
『つまんない!笑えない!』
「恐らくそれは本当だ」
ようやく緋色の怒りを静めたクラピカが、シャルと真っ直ぐ向き合って言った。
「そんな無意味な嘘はつくまい。何となく…予想もしていた事だ」
「そう?なら早く追い出せたらよかったのにね。俺がリンを好きになったの今日だし」
『えっ!!やっぱあの作戦で…』
「それは違うけど(キッパリ)」
シャルはリンと目が合うと、にっこり優しい笑顔を見せた。
『!!私は嫌いだよ!!私が好きなのはクラピカなんだからっ!!』
リンは慌ててクラピカの腕にしがみつき、シャルを容赦なくソッコーで振った。
「ひっどいな~!わかってても傷付くよ、その言い方!
ま、そういう正直なとこも好きだけど」
シャルは顔を膨らませながらもすぐにまた笑顔になった。
手強いな、コイツ…
嫌いとまで言ったのに!
何が楽しいんだか、また笑ってるし…
『…私、絶対クラピカ以外は好きになれないよ?あ、ヒソカに聞かなかった?記憶なくしてもクラピカのとこに帰って来たんだよ!
すんごい好きなの。一生なの。だから無理です!』
「うん、無理そうだね。でも俺、諦め悪いからさ」
そう言うと、シャルはポケットからアンテナを取り出した。
『わっ…クラピカ、あれ危険だから下がって!』
咄嗟にクラピカを押し退け、リンはシャルに向かって行った。
『いい加減にしろっつの!クラピカは私が守る!』
「バカっ……リン!」
クラピカ一人なら油断しなければシャルにアンテナを刺される事はなかった。
…なのに、またしてもリンのお節介が状況をややこしくする。
いきなりリンに力一杯押され、クラピカが瞬間バランスを崩した。
それが隙にならぬよう、とっさにチェーンジェイルをシャルに投げつける。
「…わっ…!!」
シャルは際どいところでギリギリ鎖をかわした。
その刹那、リンがシャルの腹に蹴りを入れた。
ドスッ──と痛い音が響き渡る。
入った!!
手応えを感じ、ニッと笑みを浮かべるリン。
シャルは苦痛に顔を歪めながらも倒れる事なくリンの足を掴んだ。
そして………
「リン!!」
『しまっ……!』
何で!?
完璧入ったのに!!
「…狙いは…最初から君だよ、リン…。
……チェックメイト」
───シャルはアンテナをリンの足に刺した。
「リン────!!」
~続く~