告白
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結局、試験はやり直され、谷に飛び下りクモワシという鷲の卵をとってくるという内容に変更、リンたちは全員クリアした。
そして三次試験に向かう飛行船の中で、リンは会長を探した。
『(どこにいるんだろ)』
キョロキョロと見回しながら飛行船を探索する。
「リン、どこに行くのだ」
偶然出会い、声をかけてきたのは……
『クラピカ!会長見なかった?』
「いや…試験官達と部屋にいるのではないか?」
『そう…』
着くまでに会えるといいけど…
リンは気持ちを切り替え、クラピカに笑顔で話しかけた。
『それにしてもアレだね!怖かったね、湿原!よく無事辿り着いたよ!
あ、それと二次試験もさ、スシ、美味くできなかったからお嫁さん試験もやり直しだね!』
相変わらず元気な口ぶりでニコニコ話をするリン。
クラピカの表情が暗く影を落とす。
「お前は……リンは本気でそんな事を言っているのではあるまいな?」
『?』
キョトン……
『本気って?お嫁さんが?』
「ああ。それと湿原での事だが、私の為に命を張るような……あんな真似、二度とするな。私はそんな事望んでいない」
『クラピカ……でも私は』
「私の事が好きだとお前は言ったな。それが本気なら、私はお前の気持ちに応えられない。それが答えだ」
『……クラピカ……なんで……?
私が嫌い?側にいては邪魔?』
クラピカは暗い面持ちで視線を地面に落としている。
『私はクラピカが好きなんだ。クラピカのまた会えるって言葉だけが、この一ヶ月私を支えてくれたんだよ。嫌いにならないで、お願い!』
リンが必死に訴えれば訴える程、クラピカの表情は辛く悲痛なものになっていく。
「私には成さねばならない事がある。己の人生を賭けて、必ずやり遂げると決めた大切な誓いがある。
その為に今ここにいて、ハンターになるべく試練を受けているのだ。
…お前を好きか嫌いか以前に、私にとってその誓い以上に尊ぶものはないのだ」
『だから?私の事は考えられないって、そういう意味?』
「そうだ。だから私の事よりも、リンはリンのやるべき事を全力ですればいい。……その方がいい」
そこまで言うと、クラピカはリンの隣りを目も合わせずに通りすぎ、去って行った。
クラピカ…
辛い…ね
いつになったら貴方は自由になれるのだろう
リンは自分を受け入れて貰えなかった悲しみよりも、
クラピカがこの先、自由になって、何も考えずに笑える日が早く来る事を心から願った。
例えばその時、隣りで笑うのが自分ではなかったとしても……
それでも貴方に幸せになって欲しい。
リンの頬に伝う涙は、何よりも純粋で綺麗だった。
~続く~