私の魅力!
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シャルは足元のリンを見下ろし、顔を歪めた。
「…クラピカの名前はもう聞きたくないって言ってるだろ」
下げられたリンの髪を乱暴に掴んで顔を上げさせるシャル。
『…っいったぁ!!何すんの!!』
「クラピカが好きなのはとうの昔に知ってるよ。
団長は可哀想だね。あんなにリンを想ってるのに報われなくて」
背筋が凍るようなシャルの冷たい声。
しかしリンも負けてはいない。
『自業自得。クロロがしてきた事は許される事じゃないよ。あんたもね。
でも私も今は同じ。あんたらの仲間の血が、今でもこの手にこびりついてる』
シャルの暗い瞳と真っ向勝負するリン。
「…本当にウボォーを殺ったのは…」
『私。って何度もゆってるよね?』
リンがそう答えた瞬間、シャルから刺すような殺気が発せられた。
───しかしその殺気は、本当に一瞬にして消えた。
殺気に反応して固く目を瞑ったリンは、薄く片目を開けた。
『───殺さないの?』
「……団長にしかられちゃうしね」
シャルの悲痛な横顔。
リンは胸が痛くなり、更にシャルを追い詰めた。
『叱られるのが恐いわけ?仲間の仇討ちの方が大事でしょ?』
「…だね…でも……」
口ごもるシャルを、リンはそのまま見つめ続ける。
『何?クロロに怒られる方が恐いの?ウボォーって人、憐れだね』
リンの挑発的な言葉に、シャルは乗ってこなかった。
「…リンはさ…殺されてもいいと思ってるんだ?クラピカの為に…」
ようやく発するような消えそうな声に、リンは元気良く答えた。
『何を今更!私の全てはクラピカの為にあるんだよ!?
クラピカの為に朽ち果てるのを恐れてたまりますか!!』
底知れぬエネルギーに溢れた言葉。
そして眩しい笑顔。
───シャルも死ぬのは全く怖くはなかった。
しかし、その信念を語りながらの、この娘の輝きようはどうだ。
「そんなに…好きなんだ」
シャルの伏せられた顔。
表情が読み取れずに、リンは怪訝そうな顔をしながらも頷く。
『クラピカの為に生きてるから、私』
そう言い終えて、シャルの元を去ろうと立ち上がった時、手首を強く掴まれて引き止められた。
『え!?何??』
リンの驚いた声で、初めて自分のした事に気付く。
「あ、ごめん」
『放してよっ!』
リンの意外と細い手首。
袖から覗く白い腕。
掴んだ手を静かに放して、シャルがリンの瞳を捉えた。
そして──────
「……行かないでよ」
~続く~