疑惑と失敗
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騒がしく吠えていたリンが、シャルの言葉でピタリと黙った。
『……う……まぁ、そういう事になるのかな?』
言われてみると確かに…
こんな格好、クラピカにだって見せた事ないのに……
でもこれはシャルが納得して出てってくれる為のものだし、つまりは間接的にクラピカと私の未来の為!!
「ふ~ん、嬉しいなぁ!まさかリンが俺の為にこんな格好してくれるなんてね~」
『ふふふ~。ね?いいとこあるでしょ?満足したでしょ?』
リンはニコニコしながらシャルを促す。
出ていけと。
「しかし、魅力を知りたいって言った俺にこんな策でくるとは……
……すっげー浅はか~~!!あははははははは!!!」
シャルは今になっておかしくなり、いきなり爆笑し始めた。
「もぉ~~~~反則だよ~~~ホントリンって面白すぎ!!あははははははは!!」
無理矢理作りあげたのがバレバレな、慣れない厚化粧のリンが茫然と目の前で立ち尽くしている。
それを見て更に吹き出し、辛そうなくらいに笑いころげるシャル。
『……あの~……』
「やっ、もう黙って!マジで苦しい!!あははははははは!!」
あの~…何かホントむかつくんですけど………
ま、まぁいいか
とりあえず機嫌良さそうだし、このまま損ねないようにしなきゃ!
リンはシャルの笑いが落ち着くのを暫くその場で待っていた。
「ははは……はぁ~~~面白かった。久々にこんな笑ったや」
『えへ。そりゃ良かった!』
シャルもようやく落ち着き、リンは次に来る言葉を待った。
出てってくれるのか?
否か!?
「んじゃ俺行くよ。またね」
『!!!ってオイ!!待ちんさいっっ!!』
機嫌良く部屋を出ようとしたシャルの腕を掴み、リンは大慌てで引き止めた。
『"またね"じゃないよ!これでちゃんと出てってくれるんでしょーね!?』
「は?なんで?」
『何でって……私がここまで恥を捨てて頑張ったんだよ!?この努力を買ってどうか諦めてよ!!』
「あはは!まぁ努力は買うけどまるっきり的外れだったしね。
いや、なんとなく君の良さはわかってきたけどさ」
『え!?じゃあ本懐遂げたよね!?目的達成だよね!?』
「でもまたまた目的変わっちゃった」
『はぁっ!?』
シャルは黒い笑みをたたえ、リンの額を人差し指でツンと押した。
「個人的にリンに興味が湧いてきたんだ。もう少し見てみたい」
まるでからかうように笑い、目を細めるシャル。
またしてもリンは自分の実行した作戦が余計な事だったという事に気付き、愕然とした。
『……ん……もぉ~~~~~っっ………勘弁してよ~~~~~!!!』
「あははは!」
広いノストラード邸の広い客間に、リンの叫びとシャルの笑い声が響き渡った。
~続く~