疑惑と失敗
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リンが出かけてから一時間程経過した。
空いた時間に屋敷の階段の踊り場で、メイドと楽しく会話していたシャル。
いい時に携帯が鳴ったと思えば、相手はリンだった。
『あ、シャル!ちょっと一階の客間に来て!』
それだけ言ってブチッと切られた。
「なんだ…タイミング悪いな~。呼ばれちゃったからまた今度ね」
シャルはメイドの頬にキスをして笑顔でその場を後にした。
可愛い顔で物腰の柔らかいシャルは、こうして多くのメイドを夢中にさせていた。
──コンコン───
「入るよー」
『はいはーい』
シャルは面倒そうな様子で客間の扉を開けた。
すると、いきなり目の前に、リンが仁王立ちで腰に手をあて、待ち構えていた。
その姿を見て、シャルは驚きの余り凍り付いた。
何故なら───
「……なにその格好」
『あれっ?意外とクールな反応だな』
そこには普段の動きやすい繋ぎを着たボーイッシュな姿はなく、見違えるほどに着飾ったリンの姿があったのだ。
深くスリットの入った赤いロングドレスを着て、綺麗に化粧を施し、髪も結い上げている。
身についた宝石が見えないよう胸が隠れるものではあったが、リンなりにはかなりの自信作だった。
『どう?似合う?』
「え?うん…てゆーか何がしたいの?」
流石のシャルも訳がわからず思いきり戸惑っている。
『ねー綺麗?これならちょっとは女に見える?』
「いや、元々女に見えるけど……」
頭の上にいくつもハテナを浮かべ、シャルはひたすら怪訝そう。
『そうじゃなくてさ、こんな感じ、シャルのタイプじゃないの?こう…色気たっぷり美人なお姉さん』
美人にはなんなかったけど(自覚)
「あ、うん、まぁ…タイプ的には嫌いじゃないよ。
…それよりホント何がしたいんだよ?」
『だからさぁ、私だってね、頑張ればこんな風に綺麗になれるんだよ!これでいいでしょ?
ちょっとは魅力わかってくれた!?もう帰ってよくない?』
リンの真意を聞き、シャルはポンッと手を叩いて声を上げた。
「あ~!!なるほど!!そういう意図かぁ!!
いきなり呼び出されて来てみればそんなカッコ見せられて…さっぱり意味わかんなかった!!」
スッキリした顔で「なるほどなるほど」と頷くシャル。
『もぉ。わかってくれたならいいけど。これで満足でしょ!』
「いやいや、そんな訳ないだろ!」
シャルの鋭い突っ込みが入る。
『何がよ!?なんで駄目なの!?私がここまでしたんだよ!?
そりゃちょっと化粧濃すぎかなぁとは思ったけど…』
「そういう問題じゃなくて!だいたい団長はリンの外見に惚れたんじゃないだろ?」
『な!!しっつれ~な奴だな~~!!!確かに美人じゃないよ!?綺麗じゃないよ!?でもねぇ、これでも師匠には』
「外見をけなしてるわけじゃないから!中身を褒められてるって受けとれば!?」
『はぁ!?てゆーかその言い方が気に食わないっつの!!シャルはホント意地悪!!』
「今更じゃん。それにしてもそんな格好、わざわざ俺の為だけにしてくれたの?」
『!!!』
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