疑惑と失敗
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二人の仲直り劇を目の前にして、シャルが不機嫌そうに割って入った。
「で?見せつけてくれなくていいんだけど。とりあえず俺は辞めないからね」
『は!!あんたまだいたのか!!』
「(わざとらしい…)ま、仕事の邪魔はしないよ。納得したらすぐ消えるから。じゃあね!」
クラピカの返事を待たず、シャルは三階の窓から飛び下りてその場を去った。
『変な…嫌な奴…どうしよう、クラピカ…』
「…これ以上蜘蛛と関わるのはごめんだ。奴らへの報復は断念したが、目の前にするとやはりどうしても冷静ではいられない」
『…うん…』
そうだよね
当たり前だよね
報復を諦めたのも私のせいだったわけだし、クラピカがそうしたくて決めたわけじゃないんだもんね…
ごめんなさい…
「…だが無理に辞めさせるよう画策しても、どんな暴挙に出てくるかわからない。だから暫くはこのままにしておこう。
…不本意だがな」
そう話すクラピカはいつも通り冷静で、逆にどれだけの感情を抑えているのかと思うと、リンは胸が痛んだ。
「今のところ我々に敵意はないらしい。お前に危険がないなら放っておいてもいいだろう。だが油断はするな」
『うん、しない』
てゆーかシャルはそんな安全な人でもないんだけど……
って言ったら大変な事になるから言わないけど……
『それにしてもクラピカって…だいぶ"私"本意だよね』
「お前程ではないがな」
『…らぶらぶだね』
「そうだな」
『やはっ!ふふふふっ』
お互いを支えあうように寄り添う二人。
しかし、蜘蛛が身近に存在しているという現状に、心休まる暇もない事は確かだった。
シャルとケリつけたい…
このまま放っておいたってクラピカが心配するだけだ
クロロに頼む…てのも考えたけど、私クロロの連絡先知らないし
それにクラピカには止められてるし
だいたい私の良さがわかったら辞めるって…
はっ!!そうだ!!
「リン」
『(ビクーッ)はっ…はい!?』
頭の中であらゆる計画を考えていると、それを悟ってクラピカがリンを睨みつける。
「…百面相。お前は余計な事など考えずに大人しくしていればいい」
『あは…ははは…はぁい、あなた!』
リンは苦笑いで了承した。
…でもね、クラピカ
このままじゃラチあかないから、私いい事思いついちゃったの
大丈夫!!大した事じゃないし
何とかシャルに早く出てってもらえるように頑張るからねっ!!
リンは心の中で変な闘志を燃やし、さっそく行動を開始するべく出かけた。
『みんな、ごめんなさい!少し空けます』
仲間に許可を取ると、皆は温かく「いってらっしゃい」と送り出してくれた。
クラピカは専用の執務室に戻り、リンの計画など知らずに忙しく仕事を始めていた。
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