君を知りたい
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かなりキレてやったのに可愛いとか言われたんですけど!!
舐めてくれるにも程がある!!!
『ま、まぁとにかく!!ちょっとでも納得できたんならもういいよね?出てってくれる?』
「なーんかとことん健気だよね。リンの頭の中にはクラピカしかないんだ」
笑いで滲んだ涙を拭い、シャルは呆れた顔で言った。
「ウボォーを殺したとかいうのもクラピカをかばう為。団長を説得しについて来てくれたのもクラピカの為。多分今までもそうやって生きてきたんだろうね」
『ウボォーって人は私が殺したんだって何度も言ってるでしょ?
そうだよ、私はクラピカの為に生きてクラピカの為に死ぬ。そう決めてるの。悪い?』
「悪くないよ。クラピカが羨ましい位だよ」
『そう?クラピカはこの危険思想を嫌がってるけどね』
クラピカは私がクラピカの為に無茶するのが嫌なんだ
でも私はそれが生き甲斐なの
やめらんないよ
「やっぱ君の事もっと知りたいや。女としては見れないけど一緒にいて楽しいんだよね」
『頼むからもうやめて……』
「君に想われたら幸せだろうね。落としたいな~」
『あー…絶対無理』
そんな事言ってる間もシャルの笑顔は殊更可愛い。
顔だけ見たらこんな人だとは思わなかったな
ホント驚愕……
「ま、そういう訳だから俺は辞めないよ。クラピカにもそう言っといてね」
『シャル!!』
「蜘蛛と働く気はない。今すぐ出て行け」
背中で冷たい声が聞こえ、リンは一瞬にして体中から冷えた汗が吹き出した。
「クラピカ。そんなとこに隠れて盗み聞き?」
「たまたまだ。この部屋は一昨日から私の専用で使わせてもらってる」
クラピカは二人が話していたすぐ目の前の部屋にいた。
リンはクラピカの顔を見るのが恐ろしくて振り向く事ができない。
蜘蛛と対峙した時のクラピカの変わり様を思いだし、また自分の存在の無力さを感じる事になるのかと思うと、微かに恐怖さえ覚えた。
「クラピカはリンに愛されていいね。そんな風に誰かと想いあうのは幸せ?」
「およそお前達には関わりのない事だな。知る必要はない。今すぐにここから去れ」
「蜘蛛を解散するって言ってた団長がリンの為に戻って来たんだ。
団長にそうまでさせるリンの事が知りたいんだ」
「蜘蛛を解散…?どういう事だ?」
────やば…
流れがやばい方にいってる気がする
「俺達が困ってるって言ったら、リンが団長を連れ戻してくれたんだよ」
クラピカは衝撃を受けて、言葉を失った。
すぐにリンの方を振り向くと、顔面蒼白で俯いている。
リンが…クロロを旅団に戻した───!?
「…本当なのか?リン」
初めて向けられる自分への疑惑の声。
リンはビクッと体を強張らせ、ゆっくりとクラピカの方を向いた。
クラピカは案の定、瞳を緋色に変えてリンを見つめている。
今日に限って黒いコンタクト、つけてないなんて……
『クラピカ……』
疑ってるの……?
私を疑ってるの!?
「答えろ」
聞いた事もないような悲痛にすら感じるクラピカの声。
それはリンの耳に、信じられないほど冷たく響いた。
~続く~