君を知りたい
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切れたはずの縁が復活するのは、早くも次の日だった。
いつも通りにリンがノストラードの屋敷へ行くと、そこにはクビを言い渡したはずのシャルが、いつも通りに仕事に来ていた。
「おはよう、リン!昨日は色々ありがとう!」
『んなっ……!!??何であんたが来て……!』
途中まで言いかけて同僚の視線に気付き、慌てて口を押さえるリン。
『お、おはよう…ちょっと来て!!』
休憩室からシャルを連れだし、人気のない広い客間に連れ込んで鍵を閉める。
そして二人きりになったところで、リンはシャルの胸ぐらを掴み上げた。
『ちょっとあんた!!なに当たり前のよーに仕事に来てんのよ!!あんたはクビだって言ったでしょ!?
護衛団の中での人事は私が任されてるんだから!今すぐ出てって!!』
「まぁまぁ、落ち着いて。昨日のお礼もしたかったし、もう悪いようにはしないからさ!
あの後、団長も無事にアジトに来て旅団に戻ってくれたんだよ」
『どうっでもいいよ!!わざわざそんな事言いに来たんなら凄い余計だから!!
もう二度と私たちの前に顔出さないで!!さようなら!!』
「そんなの約束してないじゃん。俺、この仕事は辞めないよ」
『はぁぁ!?なんでよ! もう用は済んだでしょうが!!』
「新しい用事ができたんだ」
シャルは急に真剣な顔でリンの瞳を捉えた。
シャルに見つめられ、何故かまた金縛りのように動けなくなるリン。
さ、流石に人殺しが趣味の人は目力が違うわ……
動けない……
「君をもっと知りたくなっちゃった。団長が一体君のどこに惹かれたのか、納得できるまでは辞めない」
『……な、何それ……めんどくさ……』
リンは脱力してその場に崩れ落ちた。
そんな理由あり!?
それで振り回されるこっちの身にもなって欲しい…
どーでもいーじゃん、そんなの~!!
『…あのさ、人には好みってのがあるじゃん?単に私はシャルの好みに当てはまらなかったんだよ。だからこの先一緒にいても私の良さとかわかんないと思うよ?』
何とか落ち着いた口調でシャルの説得を試みる。
しかしその顔は生気を失いゲッソリしている。
「最初はそう思ったんだけどさ…あの団長があそこまでハマるには何か理由があるはずなんだ。
てか、団長の好みは元々君とは全く違うタイプなんだよ。こう…すらっとしてて、かつグラマーで美人なのばっかでさ。
それがいきなりこんな…」
『どついていいかな』
シャルの言葉を遮り、怒りに満ちたオーラを放ちまくるリン。
「はは、ごめん。今君を怒らせても良いことないからね。
とにかく俺はもう暫くここで働かせてもらうから。大丈夫、リンに迷惑はかけないよ。ただ側で観察するだけ」
シャルはニッコリと可愛らしい笑顔で言った。
『もう許して…』
リンは頭を抱えて壁にもたれかかった。
観察だなんて…死ぬ程迷惑です…!!
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