最悪の裏切り
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『あんたねぇ!!さっきから黙って聞いてれば失礼な事ばっか言ってくれちゃってさぁ!!
別にあんたに私の良さなんかわかってもらわなくて結構!!とりあえず黙れ!!てか消えろ!!』
とうとうリンがぶち切れて、シャルに怒鳴りちらした。
シャルは怪訝そうにリンに視線を向けた後、ガックリして溜め息を漏らした。
「こんなんだし…団長といいクラピカといい…趣味悪すぎ」
『帰れ!!あほ!!てか私が帰る!後は勝手にどーぞ。あ、約束は守ってよね、シャル!!』
「わかってるよ。一応ありがとう」
『べーっだ!!』
リンは振り返る事なく地下の部屋を出て行った。
「約束?」
「何でもない」
リンは50キロ程ある道のりを、山を越えながら走って帰った。
これで漸く蜘蛛との因縁を絶つ事ができたんだ
もう二度と奴らに関わる事はない
クラピカが奴らに狙われる事も、危険に晒される事もない
……本当にそうだよね?
胸に小さく残るシコリを忘れようと頭を振り、急いでノストラードの屋敷に向かった。
その頃ノストラード邸では、シャルと二人で抗争を止めに行ったきり、現場から帰らないリンを心配して、クラピカが門の前で待っていた。
「抗争は無事に片付いたと連絡が入ったのに…一体どこへ行ったのだ……」
『あ!!クラピカァ~~!!たぁだぁいぃまぁ~!!』
汗だくで髪を振り乱しながら走って来たリンが、クラピカを見るなりスピードを上げてその胸に飛び込んで来た。
『クラピカ~~会いたかったぁ!!』
「リン!一体今までどこに行っていたんだ?シャルはどうした?」
『ああ、あいつクビ!』
「クビって…今日はお前が彼に助けられていたと聞いたが…」
『うん、でもその後が問題だったの!とにかくクビだから!』
満面の笑顔であたかも嬉しそうにリンは言う。
クラピカは訳がわからず、不思議そうな表情を浮かべた。
「奴と何があった?」
『裏切られた』
「どういう事だ?」
『いいの。とにかくもう二度と会う事もないから』
頑なに話そうとしないリンに、クラピカは何となく事情を悟った。
「…やはり蜘蛛だったのか」
『…忘れよ。もう大丈夫だから』
リンはただ瞳を閉じて、クラピカの腕の温もりに身を任せた。
全てが終わった……
────大丈夫
もう終わった事なんだから、大丈夫なんだ
リンはクラピカにではなく、自分にそう言い聞かせていた……
~続く~