最悪の裏切り
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クロロはゆっくりと椅子から立ち上がり、リンの目の前に立った。
リンの額からは汗が滴り、これから自分に振りかかる不幸を想像して真っ青になっている。
頼むから近寄らないで…
私に触らないで…
シャルの事はもう完璧嫌いだけど、クロロの事まで嫌いになりたくない!
クロロはリンの肩に手を置き、そっと頬にキスをした。
『────!!』
クロロ……嫌だ……!!
そして
リンの太股に刺さったアンテナを、そっと抜いて放り投げた。
『………っク…ロロッ』
その瞬間、リンの体はすぐに自由を取り戻した。
『はぁっ……動ける……よかった………』
心からホッとして自分の体をギュッと抱き締める。
そしてシャルの頭を一発叩いてから直ぐ様クロロの後ろに隠れた。
『シャルナーク!!あんたを信じた私がアホだった!!こんなに最低とは思わなかったよ!!今日でクビ!!ばーかばーか!!!さよーなら!!!』
半泣きで怒り狂いながらがシャルをなじるリン。
「はぁ…これでもダメか。団長が欲しいのはリンの体じゃなくて心ってわけね」
リンに叩かれた頭を掻きながら、シャルは椅子の背当てに倒れ込むように体を預けた。
「らしくないなぁ、そんなガキにハマるなんてさ。目を覚ましてよ、団長」
「目は覚めてる。むしろ今ようやく覚めたというのが実感だな」
『クロロ……』
うっかりとクロロの背中にしがみついていた手を離し、リンはクロロの顔を見上げた。
クロロは優しい笑顔をリンに向けた後、シャルの方へ向き直った。
「わかった。今からアジトへ行く。旅団に戻る。それでいいな?」
『!!?なな何で急に!?』
唐突な流れに驚くリンを押しのけ、シャルは喜んでクロロの側に駆け寄った。
「よかった!!やっとその気になってくれたんだ!でも何でいきなり戻る気になったの?」
「俺が戻らなければリンがこうして巻き込まれる。それが面倒だからだ」
クロロは部屋の奥のクローゼットから背中に逆十字のついた黒いコートを取り出すと、颯爽と身に纏った。
「…そんなにリンの事が好きなの?」
シャルは驚愕の表情でクロロを見つめる。
帰って来てくれる喜びとは別に、納得のいかない疑問符がはっきりと顔に出ている。
「…そういえばお前はリンをどうやって見つけた?」
「ヒソカに訊いてリンの職場に入り込んだんだ。団長が惚れた女に興味があって。
でも最初見た時は間違いかと思った。リンのどこがそんなに好きなわけ?」
『あんた、本人を前に失礼な!』
リンはシャルがとことん憎らしくなった。
シャルを睨みつけるリンの隣りで、クロロは冷静な声で答えた。
「世界中探しても、彼女の代わりは存在しない。お前もそのうちわかるさ」
『いや、そのうちってゆーかシャルとはもうこれっきりなんで!!』
リンは何度も何度もしつこいくらいに首を振る。
「答えになってないよ。団長がそんな事言うなんて異常だよ。
しかも女の為に……リンの一体何がそんなにさせるんだよ?」
シャルは全く納得できずに苛立ちを浮かべる。
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