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『…何か?あ、私みたいな小娘が面接官で驚いた?』
「そりゃ、まぁ…」
青年は正直に答えた。
長身な割に童顔で、くりっとした目が印象的なブロンド短髪のその青年。
いかにも腕っぷしが強そうなガッチリした腕に、袖なしの服がよく似合う。
ホント、こんな世界に入りそうな感じじゃないのに…
ま、私が言えた事じゃないけど
『えっと、面接って言ってもそんな難しいものじゃなくて、とりあえず強ければオーケーです。
危険思想お断り、協調性を大切に』
「はいはい」
『念は使えますか?』
「もちろん」
『じゃあ見せてもらえます?』
「俺操作系で、このアンテナ刺した人間を自分の意のままに操る事ができるんだ。
…けど、試しようがなくない?誰か呼ぶ?」
『うーん、いいや。面白い能力だけど怖いね』
「あはは。色々不便な事もあるけどね」
『そうなんだ。…うん、まぁいいです、採用で。ボスの事、ちゃんと命懸けて守ってね!』
「えっ」
あまりのあっけなさに、青年は拍子抜けしてガクッとこけた。
「そんな簡単でいいの?」
『え~、使えなかったらクビにするよ!あ、後で練は見せてね』
「ていうか、俺が他のファミリーから来たスパイとかだったらどうするんだ?」
『そんなの疑ってたら誰も雇えないよ。それともキミはそーなの??』
「違うけどね。まぁいいや。ふーん」
何やら物足りなそうな顔の青年。
『じゃあ、さっそくボスに挨拶に行こう』
「え、名前は訊かないんだ」
『うあっ!!忘れてた!
名前、何!?』
「………………(大丈夫かな、このコ…)」
『皆さん、紹介します!こちら久々の新人さんです!挨拶どうぞ』
「シャルナークです」
無愛想に一言だけの自己紹介。
『この人には最初、私と一緒に行動してもらって仕事を覚えてもらうんで、皆さんはそのまま普段通りに自分の仕事して下さいね』
「はーい」
「うす」
「了解」
『それじゃ行こう。今夜開かれる幹部会の準備へ』
マフィアのボス直属の護衛団に所属する、いかにも強そうな個性派念能力者たちがリンの姿を頭を下げて見送る。
シャルナークがまたじっとリンの横顔を見つめた。
『…え?今度は何?』
「いや、君みたいな若い女の子が随分信頼されてるんだなーと思って」
『あ、舐められた。私これでも闘えるんだよ?勝負する?』
からかうような笑顔で、リンはシャルの腕に小さくパンチしてみせた。
「あは、やめとく」
『そりゃよかった!』
リンが足早に先を急ぐ。
「…今はまだ…ね」
数歩後ろで、シャルが何か呟いた。
『ん?何か言った??』
「何も?」
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