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その日、久しぶりにリンは仕事に戻り、ノストラードのボスであるライト・ノストラードに挨拶を済ませ、仲間の元へ向かった。
「リンさん、お久しぶり!」
「あれ?もう大丈夫なのか?」
同僚たちが皆でリンを囲み、声をかけてくれる。
『長く休んでごめんなさい。今日から完全復帰しますので宜しくお願いします!』
リンは深々と頭を下げた。
クラピカとリンが結婚した事は皆には内緒。
知っているのは二人が心から信頼する、仲間のセンリツのみだった。
「おめでとう、リン。クラピカから聞いていたわ。とっても若いお嫁さんね」
『えへへへ…ありがとう。恥ずかしいな~』
頬を染めて嬉し恥ずかしそうに頭を掻くリン。
最近のノストラードの状況は、相変わらずクラピカを中心に武力構成、情報収集、ビジネスまで、全てが回っていた。
リンは暇なネオンの相手をしたり、パーティー出席の際の護衛をしたり、新入りの面接、教育などを任されていた。
もはや、二人が仕事上で一緒になる事の方が少なかった。
特にクラピカは忙しく、家にも帰れない事が多くなった。
夕食を作り、一人で寂しく食べるリン。
それはまだよかったが、帰って来ない上に仕事でも何日も顔を合わせない事もあり、次第に心配になっていった。
ちゃんと食べてるのかな?危ない事ばかりに駆り出されていないかな?と、心配したりもした。
そうこうしているうちに、数日経って屋敷の中から車に乗り込むクラピカをチラッと見掛けて安心したり……
クラピカは電話をかけ直す暇もメールを返す暇もないらしい。
…そんなはずないのに!
寂しさと不安でどうにかなりそうだ。
とにかくクラピカが無事でいるならいいんだけど………
そんなある日、久しぶりに紹介所から面接希望者が送られてきた。
いつもはセンリツと二人で面接をするのだが、そのセンリツが前日からネオンに付き添って海外に行っていた為、リン一人で行う事にした。
クラピカの前任のリーダー、ダルツォルネがしていたような小難しい試し方ではなく、面接と念能力の確認だけで合否を決めていた。
約束の時間になり、執事がリンの待つ客間へ面接希望者を連れて来た。
『どーぞ』
「…どーも」
軽く会釈しながら入室してきたのは、また随分とこの仕事に似つかわしくない、爽やかな青年。
彼はリンを見て一瞬驚いた様子だったが、何も言わずに勧められるまま椅子に腰かけた。
テーブルを挟んだ向かいにリンが座る。
青年はじっと丸い瞳でリンを見つめていた。
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