平和な一日
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『ねぇ、また来てくれる?すぐに会える?』
「うん!また来るよ!」
『絶対だよ?またケーキ沢山焼いて待ってるから。ご馳走も作るから…』
「うん、楽しみにしてる!」
『…ねー、いつ来る?日にち決めとかない?』
「おい、いつまでやってんだよ!早く行くぞ!」」
遠距離恋愛中の恋人と離れるのを惜しむかのように、長々と引っ張るリン。
玄関で捕まっているゴンを庭先からキルアが呼ぶ。
『何なの~?ほんと冷たい奴だな!』
「あはは、ごめんね!でもほんとにすぐまた来るから。クラピカによろしくね」
『うん、ありがとう!てかホントまた来てね』
手を振りながら小さくなっていく二人を、リンは見えなくなるまでずっと見送っていた。
…私はいつもこう
人との別れが淋しい
「またね」って言って手を振りながら
もう二度と会えないような気がして
死ぬ程淋しくなるんだ
アホみたいだけど、泣きたくなっちゃうくらい…
リンは一人きりで家に入り、テレビを見ながらソファーに横になった。
夕飯の準備もゴン達が来る前にとっくに済ませたし、後は温めるだけ。
時計は午後二時を指している。
洗濯物取り込むのはまだ早いしな…
一気に静まり返った家の中。
キルア…ゴン…
次はいつ会えるんだろ…
興味の沸かないお昼のワイドショーを見ながら、リンはいつの間にか眠りについた。
「……リン……リン」
『ん……ん~~?』
優しい声で名前を呼ばれ、夢の中から引き上げられる。
「…リン、こんな所で寝ては風邪を引くぞ」
目を開けると、目の前には仕事から帰ってきたばかりという様子でクラピカが立っていた。
『…クラピカ…クラピカ~~!!』
リンはソファーから飛び起きてクラピカに抱きついた。
「な、何だ、どうしたのだ?」
『う~…淋しかった…』
クラピカは事情も飲み込めずに驚いていたが、すぐに考えるのを止め、腕の中に来たリンの体を包み込んだ。
いつ飛び込んでいってもクラピカはこうして当たり前のように受け入れてくれる。
『…お腹空いたでしょ?
すぐに用意するよ』
「慌てなくていい。もう少しこうしていよう」
『ふふ…うん…』
抱きしめてくれる腕に、力が篭る。
幸せすぎて眩暈がする。
こんな幸せが、これからもずっと続いていく。
沢山の人との出会いと別れの中で、たった一人、永遠を誓った人。
今日も、明日も明後日も……
この人はここに帰ってくるんだ。
「二人は元気だったか?」
『うん、凄く元気だったよ!!』
貴方の笑顔があるから、もう淋しくないね
(でも、明日からは私も仕事に行こうっと)
~続く~