決意
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「泣かないでくれ。お前は少しも悪くない。ただ、もう後悔したくないだけだ…」
『クラピカ…でも本当にそれでいいの?ずっとずっと使命を果たす為だけに頑張って来たのに…』
クラピカは、すがりつくようなリンの腕をそっと放し、手を握った。
「そうだな…だけどもう無理なんだ。私は気付いてしまった。
お前以上に大切なものなど、私にはない」
『クラピカ…』
「お前を奪われるのが怖い。離れていくのが怖い。失うのが怖い。もしも何かあったら?
…考えるだけでどうにかなりそうだ」
握った手に力が篭る。
『ごめんなさ…私が…私のせいで…クラピカが辛い思いをしたり…クラピカの弱味になったり……使命まで……』
瞳から次々と落ちる雫が、ポタポタとシーツの上に染みを作る。
震えながら泣きじゃくるリンの体を、クラピカは傷にふれない様、そっと抱き締めた。
「私にあれほどの地獄を見せられるのも、それ以上の幸せを与えられるのも、この世でお前だけだ。
…私はもう何ひとつ望みはしない。お前が生きて帰ってきてくれた。他には何もいらない」
リンの額に自分の額を重ね、穏やかに微笑みながらそう言った。
そのままゆっくり二人の唇が触れる。
温かい口付け──
目を閉じて互いの感触を確かめ合う。
何度も何度も口付け合って、深いキスへと導かれる。
リンの体の中に、逆らえない程のときめきが走り、胸がキュンと音を立てる。
すると、いつもはリンが酸欠で先に唇を離すのに、今日はクラピカの方が焦った様子で体を離した。
『???』
見ると仄かに顔が赤い。
『…どしたの?』
クラピカは手で口を押さえながら
「これ以上は止められなくなる」
と、少し辛そうに言った。
クラピカの顔が赤くなってる…
リンはそのあまりに可愛い表情と殺し文句に、目を輝かせた。
『クラピカ、私も止まんない!もっといっぱいキスして!』
対抗するように上目遣いでクラピカの顔に自分の顔を近付ける。
「よせ!そういう意味で止まらないのではない…!
キスだけで我慢できなくなりそうだから離れたんだ!」
また意味がわかっていないのだと苛立ちながら、クラピカは近付いて来たリンの口を手で塞いだ。
クラピカの言葉の意味を理解し、リンは真っ赤になったが、負けじと更に押してきた。
『私も一緒だよ!大丈夫!だからして?ね?』
「~~~~~っ」
ようやく会えて久しぶりに触れあい、更にそのリンにどこで覚えたのか上目遣いで可愛く「して?」などと言われては、鉄の理性も形無しだ。
クラピカは椅子から立ち上がり、リンに背中を向けて大きく深呼吸をした。
『クラピカ~』
「今そんな甘えた声で呼ぶな!」
振り返り様にまだ赤い顔で言い放つクラピカ。
リンはクスクスと笑い、嬉しそうにクラピカを見上げた。
「~~~お前はいつからそんなに性格が悪くなったのだ!」
『あははは!元からだよ!知らなかったの?やだな~』
クラピカはリンの無邪気な笑顔に少し熱も引き、渋々椅子に座り直した。
「はぁ…気を取り直してそろそろ本題に入ってもいいか?」
『え??本題って?』
「まだ言ってないだろう?一生に一度のお願いだ」
『あ…』
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