決意
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「リン」
『はい』
「まずは…本当にすまなかった。こんなに痛い思いをさせて…。
こうなってしまったのも全て私のせいだ」
クラピカは畏まって頭を下げた。
『ええ!?違うよ、やめてよ!私が油断しただけだから!!』
「そうじゃない…わかっている。だが二度とこんな目に遭わせはしない。今ここで誓う」
『クラピカ…』
リンは泣き出しそうな顔で、頭を下げたクラピカの姿を見つめる。
「今回の事で私は…己の中の弱さと情けなさを痛感した。
リンが側にいないだけで睡眠も食事もとれない。傷だらけで目覚めないお前の寝顔を見ながら、私は何度もしゃがみ込んで叫びたくなる衝動を抑えた。
…お前を護りたいのはもちろん大前提だが、この先もし何かあった時には、まず私が耐えられそうにない。だから……」
言葉が、途切れる。
『だから……?』
「……だから………
私はもう…………
奴らから手を引く」
奴らから…
旅団から手を引く…
『……嘘……』
「本当だ。だからもう何も心配しなくていい。お前を危険な目に遭わせはしない」
『何で!?仲間を殺した旅団を捕えて緋の目を集めるのがクラピカの目標でしょ!?それを何で……私…私の…せい…?』
リンの体が小さく震える。
私が…勝手ばかりしてクロロに捕まったりするから……
ヒソカにやられたのも全部私が弱かったから…それだけなのに!
『クラピカのせいじゃない!全部私がバカだったからだよ!もう絶対こんな風にやられたりしないから!ごめんね、ごめんね…!』
まだ完治していない両腕でクラピカの肩にしがみつく。
「お前が責任を感じる必要はない。これは私が勝手に決めた事だ。
いつもお前を護りきれずに後悔ばかりする。これ以上奴らを追い掛け回してまたお前に何かあったら……
弱い私が、勝手に決めた事なんだ」
『弱くないよ!クラピカは弱くなんかないでしょ!?ずっと独りきりでここまで生きてきたじゃん!!あいつら捕える為に耐えて来たんでしょ!!』
「だが今は違う。お前がいる。
…お前が側にいる温もりを知ってしまった。もう私は二度とお前を手放せない。
そういう意味で、私は強くなんかない。この11日間で思い知ったのだ」
『クラピカ……』
溢れる涙を拭う事もせず、リンは顔をクシャクシャにしてクラピカを見つめる。
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