11日間の地獄
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数日振り…
正確には6日振りにようやく会えたリンは、いつもの元気な姿ではなかった。
全身には無数の切り傷、体中血まみれ、引きずるように歩き、汗だくで顔は真っ青で…
見つけた瞬間
それをリンだと認識した瞬間
クラピカの心臓は凍りついた。
倒れ込むリンを慌てて受け止めたが、その体はひやりと冷たかった。
急いで一番近い病院に運んだが、既に意識はなく、瀕死の重症。
両腕と肋骨を骨折、内臓破裂、出血多量……
夜中に二度も心肺停止状態になり、それでも何とか必死の治療で持ち堪えた。
集中治療室にいるリンの姿を部屋の外から一晩中見つめながら、まるで生きた心地がしなかった。
まだ来ていない最悪の事態を想像し、何度もしゃがみ込んで顔を伏せた。
もしもリンを失ったら…
明日から私は、何を思って生きるのだろう…
この体は今まで通りちゃんと動くのだろうか…
きっと今度こそ、私の全てが止まる…
体も、心も、時間も…
" クラピカ……
会いたかった………"
リンの最後の言葉が、クラピカの頭の中で何度も何度も繰り返し回っていた。
「クラピカ!」
「リンの状態はどう?」
明け方になり、キルアとゴンも駆け付けた。
「ごめん、遅くなって…走って来たから病院の場所わかんなくて」
「リンはどうなんだ?大丈夫なのかよ!」
「今のところ安定している。二時間前に心肺停止したが、何とか……」
クラピカは青白い顔で虚ろに答えた。
キルアとゴンはガラス越しにリンの姿を見て衝撃を受けた。
半日前に別れた時には元気に手を振り、いつもの笑顔で走っていたのに…
まるで夢でも見ているようだ。
全身を包帯で巻かれ、ギブスで固定され、酸素マスクをつけられ、静かに眠っている。
「……誰だよ」
キルアがガラスを掻いてキリッと鳴らした。
「…体中、浅い切り傷が無数にある。おそらく…」
「………ヒソカ………」
陰った瞳で、唇を噛み締めるキルア。
ゴンも込み上げてくる怒りで、溢れるオーラを抑えるのに必死だ。
「どうしてこんな真似ができるんだ…絶対に許せない…!!」
「…必ず殺してやる」
激昂してうち震える二人。
クラピカはただ、寝顔だけは安らかなリンの姿だけを黙って見つめていた。
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