灯〜ともしび〜
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何も知らないクラピカに、キルアは全ての事情を話した。
ヒソカを見つけ、案内された廃ビルでリンとクロロが一緒にいた事、
再会したリンは、クロロにクラピカの記憶を奪われていた事、
それでもクロロに別れを告げ、クラピカに会う為にノストラードへ向かった事、
そして途中でリンと別れた事も…
クラピカはリンが自分の事を忘れたという事実に衝撃を受けたが、それでも尚、こちらへ戻ろうと決断してくれた事に驚いた。
帰って来る…
本当にリンが帰って来る…!
クラピカは天を仰いで瞳を閉じた。
そしてこの数日間の地獄のような時間が終わる事に、心の底から安堵の気持ちが湧き上がった。
「本当にありがとう。キルア、ゴン。どれだけ礼を言っても足りない。心から感謝する」
「別に。リンは俺らにとっても大事な仲間だからな。
それよりもまだ帰って来てないんだろ?あいつ、記憶が曖昧みたいだからもしかしたら迷ってんのかも。近所探してみれば?」
キルアのその言葉に、クラピカの返事はなく、代わりにゴトッという鈍い音が聞こえた。
「?」
「どーしたの?クラピカ、何て?」
隣にいたゴンがキルアに尋ねるが、二人は顔を見合わせて首を傾げた。
不意に視界に捉えたものに、クラピカは驚愕のあまり、手の中の携帯を力なく地面に落とした。
山道から繋がる長い一本道を、ゆっくり、ゆっくりとこちらへ向かって歩いてくる
それは…その姿は─────
「……リン……」