…って、誰…?
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「今んとこ何もされてないみたいだな」
「大丈夫だった?怪我とかしてない?」
キルアは胸を撫で下ろし、ゴンはリンの体に傷がないかを心配そうに見渡した。
クロロは黙ってそのやりとりを見ている。
『何ゆってんの!私バリバリ元気だよ!?てか半年振り!?すごい嬉しいっ!!』
再会の喜びに、満面の笑みではしゃぐリン。
「呑気なやつだな~!こっちはかなり心配したんだぜ!?連れ去られたって聞いてさ!」
「クロロ!リンは連れて行く!お前には渡さない!」
リンは二人のテンションを不思議に思い、オロオロしている。
『な、何の話?連れ去られたって…誰が??』
きょとんとしながら尋ねるリンに、キルアとゴンが「えっ!?」っと声を張り上げて驚いた。
「誰がって…お前だろ?お前、こいつに誘拐されたんじゃねーのかよ!?」
『…私がクロロに??あははは!!ないない!何それっ!!』
リンはお腹を抱えて笑い出した。
「え…じゃあ何で二人でこんなとこに…?」
キルアとゴンは狐につままれたという表情。
『何でって…そっか、話してなかったよね?私とクロロ、こないだから一緒に暮らしてるんだ』
ニコッと微笑んで、リンはクロロと目を合わせ、頷き合った。
「「はぁぁぁぁ!!????」」
キルアとゴンはまたまた大いに驚いて、張り上げた声は地下の広い部屋の中に響き渡った。
『う、うるさいって!どしたの、さっきから…
てゆーか気になってたんだけど、そっちこそ何でこんなとこにいるわけ?』
耳を塞ぎながら、リンはしかめっ面を二人に向けた。
「おまっ…こいつと一緒に住んでるって…訳わかんねーんだけど!!何がどうしてそうなるんだよ!?」
拳を震わせ、凄い形相でリンに詰め寄るキルア。
『え、あの…クロロが一緒に暮らそうって言ってくれたんだよ。ほら、私家族いないし…帰るとこないでしょ?だから……』
リンは必死で成り行きを説明しながら、何だか自分で矛盾や不思議を感じた。
よく考えると、何故クロロと暮らす事になったのか、それ以前の理由がわからない。
リンはどうしても思い出せず、言葉に詰まってしまった。
「団長に拐われたんじゃなかったの!?俺たちクラピカにそう聞いて慌てて探しに来たんだよ!?」
"クラピカ"
その名前を聞いて、リンがハッと顔を上げた。
『クラピカ?』
声に出してみる。
胸がドクンと跳ねる。
瞬間、クロロの心もざわつく。
「…もしかして何か作戦だったの?」
「え!!て事は…」
俺たち邪魔した???
二人はまずい事をしたのかと苦い顔で肩をすくめる。
リンは無表情で首を傾げた。
『団長って…何の事?…クラピカ……クラピカ……って………誰?』
キルアとゴンの表情が凍る。
思いも因らなかったリンの言葉。
今リンがどんな状況にあるか瞬時に理解はしたものの、体が動かない。
成す術なく立ち尽くす。
『クラピカって…誰?』
そのリンの言葉が、広い地下の部屋と二人の耳の奥に、何度も冷たくこだました。
~続く〜