守りたい
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暫くしてようやく明るい光が見え、そしてやっと地下から抜け出した。
着いた所は怪しい草原。
ヌメーレ湿原、別名詐欺師の塒というらしい。
「霧が深いな…リン、離れないようにしっかりついてこい」
『うん、じゃこうしとく』
リンはクラピカの手を握った。
「!なっ…止めないか!!」
『何で?こうすればずっと一緒だよ!はぐれないよ』
シャアシャアと言ってのけるリンに、クラピカは戸惑いを隠せない。
「何なら俺が繋いでやるぜ?」
レオリオがからかうように、ニヤニヤと肘で突いてくる。
しかし。
『ホント!?じゃあっ』
冗談で言ったつもりが、さらっと手をだすリンに、今度はレオリオも驚いた。
(クラピカの女、変な奴だな…まぁ面白れぇけどよ)
レオリオは苦笑いした。
『あれっ、繋いでくんないの??』
リンはハテナの浮かんだ表情。
霧がどんどん深くなる。
地面だと思っていたものが、植物だと思っていたものが、次々に姿を変え、受験生たちを襲ってくる。
『それにしてもキルア、無事かな?』
リンは不安気に辺りを見渡す。
「リンも仲間と来ていたのか?」
『うん、一昨日会ったばっかだけど』
すると先頭の方から子供の声が。
「レオリオ、クラピカ、キルアが前に来た方がいいって~」
「ゴンか。無事のようだな」
「行けたら行っとるっちゅーに!!」
『キルア?クラピカの友達、キルアといるんだ!よかった~!!』
リンはキルアの名前を聞いてひとまず安心した。
しかし周りでは受験生たちの悲痛な叫び声が聞こえ始め、心中穏やかでない。
『人が死ぬ事もあるってホントだったのか…』
「ああ…我々も油断は禁物だ」
『クラピカは!クラピカは絶対死なないでね。クラピカが死んだら私は生きていけないからね』
リンの言葉に驚き、クラピカが大きな瞳を更に見開く。
「何を……」
『本当だよ……だから私が、絶対にクラピカを守るから!』
嘘はひとつもない。
私はクラピカがいたから、クラピカの言葉でこの一ヶ月間生きてきた。
私がクラピカを守る―――
・