失うあの日
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「否───か」
予想していたように、クロロはふっと笑った。
「貴様にリンを渡す理由はない。仲間の眼なら私が全て取り戻す」
リンの腕を引き、自分の背後へ隠すクラピカ。
「納得できぬと言うなら、今ここで仲間の仇を討つがいい。こちらも望むところだ」
クラピカは先程よりずっと冷静で、瞳の緋色もおさまっていた。
「…変わったな。ヨークシンではすぐカッとなって無様な嫉妬心を露にしていたが…随分大人になったんじゃないか?」
わざと挑発するような事を事を言うクロロ。
クラピカは沸き上がる怒りと憎しみを何とか耐えていた。
いや、抑えてくれた。
クラピカの腕にしっかりとしがみついている
リンの手が…
「…交渉決裂か。リンの意思は最大限尊重してやりたかったが仕方ないな」
意味深にそう呟き、クロロは軽く溜め息を吐く。
どういう意味…
まさか何かする気!?
『尊重したいなら引いて!約束を違えた事は謝る。でもクラピカを置いてクロロとは行けないよ!』
ざわざわと嫌な予感を感じ、リンは必死で声を搾った。
クラピカもリンを自分の真後ろに隠して鎖を構えた。
「ちゃんと大事にする。傷付けたりなんかしない。
ただ、騒いでも嫌がっても、もうお前には返さない」
既に私を手に入れたような口振り
何ゆっちゃってんだろう!?
ホントやめてほしい…
その余裕がマジで怖い!
クロロはいつもの調子に戻り、嫌な笑みを浮かべる。
「鎖野郎、お前が素直に俺の条件を受け入れていればよかったんだがな。もう譲る気はない。
…リンは俺が奪う」
『!?』
クロロが終わりを告げた瞬間、リンの体が突然クラピカから凄い勢いで離されていった。
「リン!!」
『やぁぁ!!クラピカ~~~!!』
クラピカの後ろでしがみつくように隠れていたリン。
クラピカもリンも意識はクロロに集中していた。
"陰"など警戒してなかった。
前だけ見ていた。
そしてその結果───
リンが引っ張られ、辿り着いたのは……
「くっくっく◆」
『ぎゃだ!!ヒソカ!!』
バンジーガムでリンを引き寄せたヒソカの腕の中だった。
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