共鳴する想い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
クロロの顔を見る事ができずに、リンは下を向いたまま謝り続けた。
「…まぁ…こういう展開も予想はしていたが…面と向かって言われると辛いな」
クロロめ…
罵ってくれればまだこっちの気分も楽になるのに
辛いとは言うけど声はどこまでも冷静だし
そーゆーとこクラピカに少し似てる…
(なんて事は絶対クラピカには言えないけど)
「せっかくリンの要望通り髪を下ろして来たのに。
…俺と一緒に来てよ。鎖野郎よりもリンを幸せにできる。
絶対にお前を守るから…他の男の嫁になるなんて言うなよ」
酷く悲しい顔で、クロロはゆっくりとリンの傍へやって来る。
『…ごめん…私を幸せにできるのは…一緒にいたいと思えるのは…クラピカだけなんだ』
ああ…ごめん…
ホントにごめんね
まるでクロロの心とリンクしてるみたいに私の心も痛い
クロロはすぐ目の前で立ち止まり、リンの頬にそっと手を宛てた。
「じゃあ教えてくれ。どうやったら諦められる?お前をどうやったら嫌いになれるんだ?」
『っ、…』
リンは頬に触れた手を払う事ができなかった。
クラピカと同じように、愛しさに溢れた優しい瞳。
やめてよ。そんな目で見ないでよ…
ずるいじゃん
クロロは抵抗しないリンを、そのまま強く抱き締めた。
『ク…ロロ…』
まるで今生の別れのように、切ない想いがその腕から伝わってきた。
心に絡みつくようなそのクロロの思いを振り払うかのように、リンはクロロの胸を押して離れた。
『…だからね、クロロ。私は一緒に行けないから…ちゃんと闘うから。
クラピカを狙うなら、私が命を懸けて守る。だから……』
最後まで言葉が紡げない。
こんなにもクロロが自分を想ってくれていた事がショックだ。
クロロにとっても、それは何て不幸な事なんだろう。
さよならと…
言わないといけないのに…
何故、言葉が出せないの…!!
その時だ。
クロロの視線が、リンの後ろにある"何か"に留まった。
『?』
不思議に思い、リンも振り返る。
「蜘蛛の頭か…こんなに早く会う事になるとはな」
『く…クラピカ!』
予定よりも遥かに早く、クラピカはこの場所へやって来た。
すでに瞳を緋色に染めて、クロロの姿を憎しみを込めて見つめている。
『ちょっ、クラピカ待って!今話してたとこだし…』
クラピカは鎖を取りだし、クロロに向けた。
「すぐにリンから離れろ。さもなくば殺す」
『クラピカ!!』
クロロは顔色ひとつ変えず、リンを見てこう尋ねた。
「もし鎖野郎を殺したとしたら、リンはどうする?」
その言葉に、リンはキッとクロロを睨み上げた。
『もちろん、私も死ぬ』
クロロは「そうか」と言って瞳を閉じた。
・