共鳴する想い
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「お前からしてみれば確かに良い条件だと思うだろうな。それを受けた事はもう今更責める気はない」
『え…』
じゃあどうする気…?
何か嫌な予感…
「奴との待ち合わせ場所はどこだ。私が行く」
『!!!』
なっ…何でそーなるの!
クロロと会うってゆーの!?
修羅場じゃん!!
まさか今日そんな事になるなんて…
『ま、待ってよクラピカ!わかった!私行って断ってくればいいんでしょ!?』
「お前だけ行かせても帰って来ない可能性の方が高い。いっそ私自ら行った方が話は早いだろう。
いずれは奴と対峙する運命だったのだ。今度こそ蜘蛛の頭を完全に潰してやる」
『やだ!やめてよ!クラピカは一度クロロに能力を見られてるんだよ?不利だよ!!』
必死で止めるリンに構わず、クラピカは家を出る準備を始めた。
『絶対今日は帰って来るから!だから落ち着いて!』
「私は至って冷静だ。いいから場所を言え」
『やだよ!!待って、私、ちゃんとクロロに言って帰って来るからぁ!』
「くどい!!」
こうなっては聞く耳など絶対に持ってはもらえない。
クラピカは筋金入りの頑固者だ。
…嫌だ…やだよ!!
クラピカは絶対行かせない!
クロロは強い…
もし負けたら…!
リンはクラピカが準備している隙に家から飛び出し、全速力でクロロの元へ向かった。
「リンっ!お前…!」
クラピカの声があっという間に遠のいていく。
リンはとんでもない速さで長い一本道から姿を消した。
急がなきゃ…
クラピカはダウジングチェーンで行き先がわかる
だから早く行ってクロロに事情を説明しよう
もう、一緒には行けないと
あんたと正々堂々と闘うと─────!!
昨日一時間かけて走って来た道を、今日は40分でやって来た。
昨日と同じ、エンバークの山奥、大きな滝の流れる下に。
約束の時間までまだ30分以上あったのに、クロロは昨日と同じ岩の上に、昨日と同じように座っていた。
そしてリンの姿を確認し、ふわりと岩の上から飛び下りた。
「早いな。本当に来てくれたんだ」
昨日と違い、初めて会った日のように髪を下ろし、額の十字を露にしたままのクロロは、嬉しそうに微笑んだ。
リンは激しく息を切らせながらも、その姿に自分への想いを感じ、胸が痛んだ。
「鎖野郎は説得できた?」
一歩一歩、リンに歩み寄るクロロ。
リンは流れる汗を拭い、右手を真っ直ぐ前へ突きだした。
『クロロッ…ごめ…!!私…行けない…やっぱ…
クラピカは裏切れない!』
リンはゼーゼーと酸素を求めながら、その合間に何とか言葉を発した。
突き出した手には ”それ以上近寄らないで” という意味を込めたのに、言葉にはできなかった。
どんな理由であれ彼に謝るのは気が引けたが、昨日一緒に行くと約束してから今まで、クロロがどんな思いでいたかを考えると、やっぱりどうしても心が痛んだ。
『私…私はクラピカの…お嫁さんに…なるっ!嫁は家に…いて旦那様を待たなきゃ……
クロロ…ごめんっ…!』
やば!!どんだけ泣き虫!?
私が泣くのはクラピカの為でなきゃ……
いや…
クロロの為になんか泣きたくないのに、何故か胸が苦しくて涙が出てくる!!
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