共鳴する想い
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リンは、自分をきつく抱き締めているクラピカの腕を、力一杯振りほどいた。
涙を拭いて、迷いを捨て、前を見る。
凛として透き通るような薄いブラウンの瞳。
いつもクラピカだけを映してきた…。
『クラピカ…これはもう私の問題なんだ。勝手を言ってごめんね。私は行く』
意思の固さを物語るように、その声は強く、はっきりとクラピカの鼓膜に響いた。
「奴とどんな取引きをした?私への報復を諦める代わりに奴のものになる…か?そんな事を私が望むと思うか?」
『うん、ごめん。なんだかんだ言って、結局全ては自分の為なの。私がこうしたいからこうする。
…あいつら蜘蛛が全員でクラピカを殺そうとしたらいくらクラピカでも…命が危ない。クラピカを失う位なら私が死んだ方がマシ』
「そうか。私もだ。
お前を奴に渡す位なら死んだ方がマシだ」
『…っ』
クラピカの言葉に、押し通そうと思っていたリンの心が一瞬揺らいだ。
『…っ、別に、クロロのものになりに行くわけじゃないよ。命だって取られないし』
「ならば何の為に行く?」
『言えない。とにかくいずれは終わる事。
クラピカに…待っててとは言えないけど…
クロロと暫くの間一緒にいなきゃなんないの。一緒に…探しもの…』
ぐ…やばい!
かなり説明しちゃってるよ
クラピカは頭良いから、ヘマしたらすぐにばれそう
緋の眼を集める為なんて…
「その探し物…まさかと思うが緋の眼じゃあるまいな」
『………』
早すぎ…ばれるの早すぎっ!!
リンは冷や汗ダラダラで目を泳がせ、言葉を詰まらせた。
その様子はもう思いきり肯定しているも同然だった。
クラピカは敢えて返事を待った。
「どうした?違うなら違うと言え」
『………』
嘘のつけないリンは、無言でいるしか道がない。
「…お前がそこまでわからない奴だと思わなかったが…奴が言い出した事だな」
クラピカは酷く落胆したように、長い溜め息を吐いた。
「…大方こうだろう?共に緋の目を全て集め、終わったら家に帰してやる、と」
呆れたようにリンを見遣り、もう一度溜め息を漏らすクラピカ。
リンはもの凄く居心地の悪い空気の中、黙ったまま俯いている。
もうこの人…
なんでこんなに察しがいいのか!
嫌になる………!!
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