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「食事が進まないな。気分でも悪いのか?」
『へっ!?そんな事ないよ!!元気すぎるよ!』
心配そうにこちらを窺うクラピカに、リンの声は裏返ってしまった。
クラピカはそしらぬ顔で食事を続けてるけど、多分私の様子で何か感じてはいるはず…
こんな時に、隠し事のできないこの性格が憎たらしい
クラピカは何も訊いてこない
それがまた何か嫌だ…(訊かれてもうまい言い訳は用意してないけど…)
「しかしお前がこんなに酒を飲めるとは思わなかった。泥酔して暴れそうなイメージだったんだが」
『あ、うん、ホントね。ワインって初めて飲んだけど美味しい』
今日で16歳になったリンは、クラピカと一緒にアルコール解禁のお祝いでワインを開ける事にした。
リンの育った町ではその年から大人と見なされ、アルコールやギャンブルなどの規制が解け、自己の責任も問われる様になる。
すでにリンは一人で一本のワインを空けていた。
頬をほんのり紅色に染める程度のリンを見て、クラピカはしみじみと感心している。
『しかしアナタ、暴れそうって失礼な…』
リンは苦笑い。
暫くゆっくり飲んでいると、クラピカがフーッと溜め息をついた。
『お?どしたの?もしかして先に酔っちゃった?』
リンが指を指して悪戯に笑う。
すると、クラピカは顔を上げ、真っ直ぐにリンを見つめた。
その真剣な眼差しに、思わずドキッとしてしまう。
クラピカは静かに口を開いた。
「お前から誕生日だと聞いて、これでも今日一日ずっと頭が一杯だったんだが……」
ん?何の話だろう?
リンは不思議に思い首を傾ける。
「以前、キルアの家を出た日に、お前にプロポーズかと訊かれて肯定した事があったが…あれを取り消して欲しい」
『!?』
実は微かにほろ酔いしていたリンだったが、その言葉で一気に頭が醒めた。
今更別れ話かと慌てるほど早とちりではなくなった。
考えられる事はひとつ…
「今、改めてちゃんとさせてくれないか」
───!!
やっぱり…!
次のクラピカの言葉を待たず、リンの目からは既に涙が溢れ出していた。
「…おい…まだ何も…」
『ぅわかってる!!ちょっ…待って、わざとじゃなくて!!とまっ…止まんないの!!ごめん、落ち着くからちょっとタンマね!!』
何と、リンは事もあろうにプロポーズに待ったをかけてしまった。
タンマを言い渡されたクラピカは、仕方なくリンが落ち着くまで待っている。
次々に溢れてくる涙を必死に拭い、何とか気合いで止めたリン。
『…ふう…ごめん、はい…いいです。お願いします』
……お願いしますと言われると、何やら凄く言い出しにくい。
どうしたものか、この娘は…
クラピカは呆れて再び溜め息を漏らした。
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