初・旅行!
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「本当です…誰も反対せずに合意しました。体を遺さぬよう、皆が死んだら遺体に火を放つよう、俺が言いつかったんです。
…しかし、後で追ってくるよう言われましたが、俺にはできなかった…死ねなかった…!」
グレスは深く俯き、拳を握ってまた涙を流す。
『あのっ…私は!?私は何で生き残ったの?』
リンがそう尋ねると、グレスは涙を拭い、真剣な瞳でリンを見つめて言った。
「貴方は次代の女神だからです。我々一族には必ず一人女神が存在します。
その方が年を取り、生涯を全うしてお役目を終えられると、不思議ですが、約束したように必ず次の女神が生まれるのです。それが貴方だった」
『……………………………………はぁ……………………』
ポカーン、と、開いた口が塞がらない。
『…あんた何言ってんの?』
とてもついていけない…
私、女神なんだってー!
あはははは!!キルア達に自慢できちゃうよ!
…あ、馬鹿にされるに決まってるか…
リンは引きつった顔で笑い飛ばした。
『だいたい何で私がそれだってわかるわけ!?』
彼の話をまるで納得できずに、半ばヤケクソ状態でリンは問い掛けた。
「女神には必ず胸の真ん中に赤い宝石がついているんです。高貴な力を宿し、民を守り導く女神の証です」
嬉しそうに瞳を輝かせながら、グレスは断言した。
『でも民死んだじゃん。導く相手いないじゃん』
「俺がいます!ずっとこの日を待っていました!女神は本当に民を…俺を導いて下さるんだ。
二人でもう一度、一族の里を再建しましょう!」
グッとグレスに手を握られて、内心戸惑いながらもリンはそれを振り払った。
『ごめんだけど私はそんな事しない!
もう自分が生きる道を見つけたの。里なんて再建しようにも、元々を知らないから無理だし!!』
「しかし、俺はどうすればいいんですか!?この時だけを夢見て生きてきたのに!!」
『師匠は里には誰もいなかったと言った!あんたも私を置いて逃げたんでしょ!?
だいたい私だけ生き残らせて、あんたらどうしようと思ってたわけ!?私がその盗賊団に酷い事されるとは考えなかったの!?
今更勝手すぎだよ!!二度と私の前に現れないで!!』
リンは怒り心頭で身を震わせながら怒鳴り散らし、言い終わると踵を返してクラピカのもとへ向かおうとした。
「ま…待って下さい!!逃げたんじゃなくて隠れてたんです!!貴方を隠した神殿へ向かう途中、奴らの気配を感じて……
そしたら奴らの一人が神殿へ入り、大事そうに貴方を抱いて出て来たんだ!!」
その言葉に、リンは足を止めて振り返った。
『……今…………なんて…………?』
~続く~