初・旅行!
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次の朝。
眠れなかったはずのリンは、そんな事お構い無しに早起きし、早々と出発の準備を済ませた。
『早く!早く行こうよ、クラピカ!』
「…ああ。朝から元気だな」
クラピカはマイペースに準備をして、既に玄関で待っているリンのもとへ向かった。
飛行機と電車を乗り継ぐ長い移動時間の中で、リンは少しも寝なかった。
幼い頃からほとんど山の中での暮らしで、師匠と一緒に遠出する時も、こんな都会に出た事はなかった。
ヨークシンとはまた違う独特な雰囲気のある町並み、人々の着ている民族衣装、賑やかな市場、年に一度しかないという収穫祭のパレード…
見るもの全てが珍しく、通りすぎていく路面電車の中から声を上げて喜んだ。
『見てクラピカ!すごい!パイ投げしてるよ!私も混ざりたーいっ!』
きゃっきゃとはしゃぐリンを見て、誰よりクラピカが一番嬉しかった。
「…来てよかったか?」
『すごく!!』
それからクラピカの好きそうな美術館をゆっくり回った後、世界最大級と言われている遊園地へやって来た。
クラピカはほとんど乗り物には乗らなかったが、リンが一度だけ無理矢理乗せたジェットコースターでは、意外と楽しそうに笑っていた。
(ビビらせたかったんだけど…)
いくつかのアトラクションを楽しんだ後、リンは飲み物を買いに売店へと向かった。
クラピカはベンチで休んでいる。
長い列の最後尾に並び、順番が来るのを待っていると、ふと違和感を感じ、自分の腰あたりに触れようとしていた誰かの手をガシッと掴んだ。
『なに?』
振り返ると、帽子を目深に被った20代位の男が慌てて手を振りほどいた。
スリか!!
放っとけないな!
逃げ出した男の後を、リンは急いで追いかけた。
『待ちなさいって!あんた、そりゃ駄目でしょ!?』
大人しく待つはずもなく、人気の少ない建物裏へ逃げていく犯人。
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