好きだ
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「ったく…お前が考えそうな事だぜ」
話を全部聞いて、キルアは呆れた様子でそう言った。
「しかしさ、お前が言ってた生涯忘れられない位嫌な事って、旅団の一人を殺した事だったんだな」
『…!…よく、覚えてるね。そんな事』
ゴンやレオリオ、みんなで待ち合わせした時に、レオリオに「いい事あったのか?」と聞かれて返した返事だった。
「そりゃ、昨日それ聞いた時に気になってたからな」
『さすが…キルアだね』
ふいに、泣きそうになるのを堪える。
こんな年下の男の子に…
甘えちゃってるなぁ、私
リンは暗い空を仰いだ。
「でもさ、その除念師ってのを見つけるのって、かなり難しいんだろ?」
『クロロなら絶対やるよ…どーしよーキルア!!やっぱ今殺っとくべき!?』
「落ち着けって!別に今すぐってわけじゃねーんだから、対策も立てられるだろ!?」
『ホント!?てゆーかキルアもいざとなったら助けてね!?』
「バカ、今日ので懲りたっつの!」
キルアがしがみついてくるリンの腕を振り払う。
『も~!!薄情キルア!いい案出してよ!』
「今は無理!どうしようもない!」
「リン」
呼ばれた声に振り向くと、そこには今度こそクラピカの姿があった。
「んじゃ、俺ゴンのとこ行くわ。」
『え、あ、うん…』
さりげない流れで、キルアは席を外す。
クラピカはリンと視線を合わせると、小さく笑ってみるが、やはりぎこちない。
『クラピカ』
リンが両手を広げて優しく微笑んだ。
『ギューさして?』
そう言って、クラピカが来るのを大人しく待っているポーズを見ると、なんだかおかしくなって、クラピカは笑った。
「ああ」
一歩、リンに歩み寄り、リンの肩へともたれかかる。
リンはクラピカをそっと抱き締めた。
『お疲れ様。疲れたね。今日はゆっくり休もうね』
「…そうだな」
『クラピカ……』
「ん?」
『…おかえりなさい』
「…ただいま」
──こうして、ようやく長い長い一日が終わった。
夜の闇の中、皆を乗せた飛行船がゆっくり、ゆっくりと飛んでいく。
~続く~