理不尽な交渉
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約束の八時になった。
パクノダがリンゴーン空港へ姿を現した。
クラピカは自分達のいる飛行船に乗るよう指示を出し、パクノダと交渉に入った。
センリツに心音を読んでもらい、パクノダ本人である事を確認する。
「今から出す条件を遵守すれば、お前達のリーダーは解放する」
ジャッジメントチェーンを取り出し、クラピカは手を掲げる。
「まずはお前達のリーダーへの条件。
1つ、今後念能力の使用を一切禁じる。2つ……」
言いかけて、クラピカは言葉を止めた。
本当はこんな事、解決には結びつかない。
頭を切り離しても、場合によっては足だけで動く…奴らは全員で蜘蛛。
しかし、これが無駄であるとして、他にどんな手が?
あらゆる問い掛けが、疑問が、クラピカを迷わせる。
数歩後ろでリンが心配そうな眼差しを向けている。
そして、暫くの時の後、クラピカが決心したように続きを口にした。
「2つ!!今後、旅団員との一切の接触を絶つ事!!」
パクノダはそれを承諾し、クロロの心臓にジャッジメントチェーンが刺された。
リンは顔をそらして目をギュッと瞑った。
その後、クラピカは「ゴンとキルアを無事に解放する事と、自分の情報を一切漏らさない事」を条件にして、パクノダにもジャッジメントチェーンを刺した。
パクノダはゴンとキルアを連れて来る為、一旦仲間の元へ戻った。
次に来る約束の時間は零時。
それまでこの飛行船の中で皆待たねばならない。
リンはクラピカから遠く離れ、一人、個室へと入っていった。
と、間もなく部屋をノックする音。
『…はい』
「私だ」
『…どうぞ』
静かにドアを開け、クラピカが部屋に入って来た。
リンは窓から暗い外を眺めている。
『…クロロは?』
「センリツが付いて、あちらの広い部屋にいる。鎖は繋がったままだ」
右手を少し掲げ、鎖を見せるクラピカ。
リンは振り返る事なく、暗闇を見つめたままだ。
「…何を考えてる?」
リンのその暗い様子を見て、クラピカが尋ねた。
『うん…クラピカの事、だよ。いつも通り』
いつもの明るい声とは別人のように沈んだ声。
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