雨天決行
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クラピカが走って奴らを追っている事を、たまたま連絡してきたキルアが知り、一方的に切られた電話を握りしめながら、クラピカ達のところへと急いだ。
『まずいよ、クラピカ!私とゴンで行くからクラピカは下がって!』
リンの制止の声など、もはやクラピカの耳には全く届いていない。
やっぱり────
クラピカを支配するのは今でも蜘蛛なんだ
血塗られた過去が、今もクラピカの背中にべったりとくっついて離れない
どんなに側にいても、
抱き締め合っても、
私はそれを越える存在にはなれない─────
クラピカの、我を忘れて奴らを追う凄まじい程の横顔を見て、リンはその事を痛感した。
そのまま数百メートル追っていくと、突然、蜘蛛が二手に分かれた。
三人がそのまま走り去っていき、残った三人が道の真ん中に立ち止まって振り向いた。
『「「!!』」」
追っている事に気付かれたらしい。
とっさに三人はサッと道を挟んで両側にそれぞれ隠れた。
気付かれた────!
クラピカと一緒に路地に隠れたリン。
隣りではクラピカが念の鎖を現し、迎え撃つ構えでいる。
ど、どうしよう!!
今ここで闘っても分が悪い!
そんな事もわからない位にクラピカは冷静さを失ってる!
……違う。分があるとかないとかじゃない
どうでもいいんだ、そんな事
嫌だよクラピカ
こんなところで、絶対死なせない!!
道を挟んだ向こう側で、ゴミ箱の後ろに隠れているゴンも、そんなクラピカに気付いて動揺している。
ここでクラピカが出て行けば、全てが終わりだ―――!
ゴンはイチかバチかで道へ出て、旅団の前に姿を見せた。
「ごめんなさい!もう追い掛けないから許して下さい!」
両手を挙げて降参宣言をするゴン。
「…もう一人いるだろ」
旅団の女のメンバーが、出てこいと合図した。
すかさずリンが奴らの前に飛び出していく。
その時になって、ようやくクラピカは我に返り、走り出したリンの腕に手を伸ばした。
「リンっ…」
ところが、背後から何者かに腕を掴まれ、引き留められてしまった。
クラピカの手は届かず、リンは幻影旅団の前へと飛び出して行った。
引き留めたのは、キルアだった。
「クラピカまで出たら全部終わりだろ!とりあえずここはあいつらに任せるしかない!」
キルアはしっかりとクラピカの腕を掴んでいる。
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