雨天決行
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降り続く雨の中、作戦は決行される。
クラピカは念の為、カツラやサングラス、帽子等で変装した。
アジトについたキルアと連絡を取りながら、他の四人は車で移動する。
数百メートル先の小さな足音すら聞き分けられる、仕事仲間のセンリツにも協力を頼んだ。
「センリツによると、奴らはやっぱりアジトの中にいるらしい。
今からどこかへ移動するみたいだ」
キルアとセンリツが旅団の後をつける、逐次連絡を入れてくれる。
「足音からみて相手は五、六人。女もいるわね」
暫く尾行を続ける二人。
すると、奴らが向かう先に護衛団が泊まっているホテルがある事がわかった。
すぐに仲間に連絡を取り、ホテルを出るよう指示をするクラピカ。
そう、この作戦の流れは、始めから予想外の事ばかりであった。
蜘蛛たちは電車へ乗り、ホテルへ向かっているようだ。
クラピカの一行は車で先回りし、奴らが降りるであろう駅の外で待ち伏せた。
「おいクラピカ。もう少し近くに行った方がいいんじゃねーか?」
「いや、あまり近付くと敵が私の敵意に気付くかも知れない。奴らに気付かれずに攻撃できるこの間合いで十分だ」
同乗しているリンは、決戦の時が刻一刻と近付いていくのを感じ、緊張で手が震えた。
その様子に気付き、クラピカはリンの手を握りしめる。
「無理はしなくていい。お前は車に残れ」
「うん、俺だけで何とかしてみるからリンは待ってていいよ!」
凛々しい笑みを見せるゴンの額には、汗が滲んでいる。
自信などないと初めから言っていたはずなのに、こんな時にまでゴンは他人を思い遣れる心を持っている。
震えてなどいられない…
リンは覚悟を決め、顔を上げた。
『…大丈夫。行く。…行かせて』
クラピカは静かに瞳を閉じる。
「くれぐれも…二人とも無理はしないでくれ。
何を置いても、命が一番大切だ」
「うん!わかってる!」
リンもコクンと頷いた。
その時だった。
駅の出入り口から、奴らが六人まとまってゾロゾロと出てくるのが見えた。
車内の空気が一気に張り詰める。
「…幻影旅団…!!」
その姿を目で捉えるなり、クラピカは我を忘れて車を飛び出した。
『えっ、ちょっ…』
「レオリオ!私が連絡するまでここで待っていろ!」
そう言って走り去るクラピカを、ゴンとリンが追い掛ける。
「待ってクラピカ!いい手が浮かんだんだ!クラピカってば!」
『クラピカ!とりあえず冷静になろ!』
二人の必死の声も届かず、クラピカは蜘蛛を追っていく。
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