クロロ
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一階は既に酷い状態で、今しがた爆発があったのだろうか…煙と粉塵がもくもくと上がっている。
パーティー会場の壁に大きな穴が開いて、天井も崩れていた。
豪華な内装が見る影もない。
リンは辺りに誰かいないか慎重に探した。
すると、瓦礫のすぐ側で誰かが大の字に寝転んでいる。
よく見ると……
『く…ろ…ろ?』
呼ばれた当人はリンに気付き、起き上がって片手を上げた。
「君も無事だったんだ。よかった」
傷だらけにも関わらず、クロロは平気そうに笑っている。
『うそっ!大丈夫!?』
直ぐ様クロロに駆け寄り、怪我の具合を診るリン。
『何で!?誰にやられたの!?それとも巻き込まれたの!?
だから…だから早く逃げろって言ったのに!!』
「あはは、大丈夫だよ」
リンはあの時、やはりついて行くべきだったと責任を感じ、目を潤ませた。
「なんてことないよ。俺、もう行かなきゃだし」
そう言って、早速クロロは立ち上がる。
『待って、ホントごめん、守るって言ったのに…傷、手当てするから…』
リンの涙ぐんだ悲しげな表情。
不思議にもクロロは目が離せなくなった。
「ねぇ、何故君みたいな女の子がこんな所にいるの?」
『私?ノストラードの娘さんの護衛団の一人なの』
正直なリンは、有りのままを答える。
「俺と一緒に行かない?
マフィアの護衛団より暇しないよ」
今度はクロロが手を差し伸べる。
『あは、悪いけど私を待ってる人がいるから行けないな。それに暇じゃないし』
リンはニッコリ笑って断った。
クロロはフッと笑みを浮かべ、「またな」と言って素早く去っていった。
本当は、クロロがただ者ではないと気づいていた。
隙がなく冷静で
ふざけているようでも、その瞳の奥は永劫の闇が浮かんでいた。
『マフィアじゃないなら…暗殺者かな。ま、どうでもいっか』
まさかそれが、旅団のリーダーだなんて事は
まだこの時は、知る由もなかったのだ───
~続く~