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リンとクラピカは、車に積んでいたシャベルで穴を掘り、敵の遺体を埋めた。
そしてホテルに戻ると、クラピカは仕事仲間の所へ一旦報告へ行った。
暫くして少し時間ができたらしく、クラピカはリンの部屋を訪れた。
『…おかえり!お疲れ様!』
風呂上がりの濡れた髪をタオルで拭きながら、いつも通りの明るい笑顔でクラピカを出迎えた。
二人で並んでソファに腰掛けるが、沈黙を恐れたリンはすぐにテレビをつけた。
深夜のつまらない番組ばかりだが、シーンとするよりはマシだ。
『あ、そういえば冷蔵庫にワインあったよ!飲む?』
「…いや、いい」
クラピカは下を向いたまま、深刻な顔をしている。
(うわ…怖いな…何言われるんだろ?)
不安にかられ、そわそわと体を揺らすリン。
暫くそのまま、テレビの音だけが部屋に響いていた。
クラピカがやっと口を開いたのは、それから10分程経ってからだろうか。
「…リン、多分この質問をするのはどちらにしろ最後になると思う」
リンはぐっと息を飲んで、少し間があいてから頷いた。
『な、何?』
「…色々と考え、悩んでみたが、私にはやはり答えが出ないのでお前に決めてほしい。
これから先、私といて今日の様な事があれば、お前は同じ事を繰り返すのだろう?
私にはそれは耐えられない。本当なら一緒にいるべきではないんだろう。
しかしお前を…私から手放すのは無理だ。
だからお前自身が決めてくれ。これから先…どうするかを」
クラピカの声も表情も、見るからに苦悩の色に溢れている。
仕方なく考える振りはしてみるけれど、この答えはある意味決まっていて、しかしリンに決められるものでもなかった。
『ごめん、私には決められない。クラピカが好きにしていいよ。
側にいるのが辛いなら…離れよう…』
それは、やっとの思いで言った一言だった。
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