100day Challenge

17.ペイサソ

2024/10/16 16:58
SS
 


 ※ サソリの勧誘に行ったのが小南ではなくペインだったら…というif話





「何度言えばわかる。オレには効かない」
「ッるせぇ、な……っ!」

 ペインが、“三代目風影”の砂鉄結襲を弾き飛ばす。

(クソ……まただ)

 自らの傀儡が繰り出す技を悉く往なされ、サソリは舌打ちを零した。
 ペインと名乗る男から、“暁”という組織に勧誘されたが……サソリはそれを断った。この男を自分の作品にしたいと思ったからだ。趣味の悪いピアスは頂けないが、見目とその術は悪くない。それに何より……初めて見るその眼。瞳術であることは明らかで、解き明かしてみたいと探究心を掻き立てられる。
 だから、何としても――。

「砂鉄界、――ッ!?」
「万象天引」

 ペインが唱えれば、それだけでサソリの身体は彼の元に引き寄せられる。受け身を取る間もなく、紐状に変形させた求道玉で腕ごと上半身を拘束されたサソリは、地面に転がった。チャクラ糸も切られ、サソリの背後で三代目風影がコントロールを失って倒れた。辺りに砂鉄が散らばる。

「これ以上は何をしても無駄だ」
「ックソ、が……っ!」

 冷酷な光を放つ輪廻眼に見下ろされ、サソリは悔しげな表情でペインのその無表情な面を睨み返す。砂塵にまみれたサソリとは違い、傷一つ付いていないペイン。歴然とも言える力の差に歯噛みする。

「“暁”に入れ」
「……チィ……仕方ねえ」

 敗北者に選択肢はない。それを知るサソリは、二度目となるペインからの招請を渋々ながら承諾した。

「そうか……それは何よりだ」
「っ……」

 片膝を折ったペインが、サソリの頬に手を添える。
 細められた紫の両眼には苦い表情をしたサソリ自身が映っていて。触れられた手は、サソリの……人傀儡の身体と同じぐらい冷たかった。





 ボスの日なのでペイサソ




 

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