サソリ受け×恋人同士×コスプレ
「似合ってるぞ、サソリ」
「嬉しくねー……」
タイトなワンピース型のナース服に身を包んだサソリ。オレの部屋のベッドで、上半身を起こしているオレを見下ろす彼は、腕を組み溜め息を吐いた。被っているナースキャップはナース服と同じ淡いピンク色で、深くスリットが入った超ミニなスカート丈から太股が覗く。絶対領域を作り出している白いレースのニーハイソックス、その透け感が何とも色っぽい。
お世辞でも何でもなく、本当に似合っている。呆れた表情の恋人に反して、オレの機嫌は上昇するばかりだ。
「ったく……風邪引いたって聞いたから家まで見舞いに来てやったっつーのに、コスプレなんか用意してんじゃねーよ。来て損したぜ」
「心配してくれたのか?」
「ンなっ……んん……」
「ありがとう。サソリは優しいな」
「……この天然ヤローが……」
両手で顔を覆ってしまったサソリ。オレは首を傾げる。何か変な事を言ってしまっただろうか。
大学生のオレと違いサソリは社会人で、終業するのはもっと遅い時間の筈だ。態々仕事を切り上げて家まで来てくれた上に、溜め息一つでこんなコスプレ衣装を着てくれるのだから、間違いなく優しいと思うんだが。
「……オイ。尻触んな」
「恋人がこんな素敵な格好をしているんだ、少しぐらいいいだろう」
「こいび……っ、風邪引いてんだろ、大人しく寝てろ!」
有無を言わさずベッドに寝かされ、上から布団を掛けられる。風邪と言っても軽いもので、もう熱もない。殆ど治っているんだが……。オレの不満げな顔を見てもう一つ溜め息を吐いたサソリは、視線を彷徨わせながら、それでも口を開いた。
「……治ったらいくらでも付き合ってやる、から」
「本当か?」
「あー……約束してやるよ。だから今は安静にしてろ」
仕方ねぇと言いたげな苦笑と共に頭を撫でられる。その手の冷たさと優しい触れ方が心地よくて目を細めた。
ああ、可愛らしくて愛おしい年上の恋人。つい甘えてしまうのを許してほしい。オレがこんな姿を見せるのはお前にだけだ。
口元が緩む。堪え切れない笑みにむず痒い思いをしながら、手を伸ばした。
「……だから、セクハラすんなっつってんだろ馬鹿イタチ!」
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