短編夢まとめ
経緯は省略するが、レモネードが分裂した。いやほんとに。幻覚でも見ているんじゃないかと思ったけど、おいらとルッコラの目にはしっかりと……ニコラシカを間に挟んで取り合い合戦をしているレモネード(通常)とレモネード(小)の姿が映っていた。
「このチビ……! さっきからこいつにベタベタ引っ付いてんじゃねーよタコが!!」
「はあ? 好きな奴とくっついてなにが悪いんだよ。そっちこそ離れろ!! 自分相手に大人げねえんだよ!」
両者一歩も譲らずな戦いである。レモネード少年はニコラシカの腰周りに抱き着いて離れようとしないし、レモネードはニコラシカの肩に腕を回して自分の方に引き寄せている。そんな二人に挟まれて「お二人とも喧嘩しないでくださーい!」とニコラシカはわたわた困っていた。
「自分相手によくあんなヤキモチ妬けるぞい……あたいには理解できないぞーい!」
「レモネード嫉妬深いからな~。ニコラシカのやつ大変だぜえ……」
おいら達は目の前で繰り広げられている修羅場をじっと見守ることしかできない。ニコラシカを気の毒に思う気持ちは勿論あるのだが……相手が悪すぎる。Wレモネードの間に割って入ろうものなら、下手すればこちらがボコボコにされる可能性大だからだ。自分の身が一番可愛いおいら達を許してくれ……。
両者、暫く睨み合っているかと思えば。埒が明かないといった様子で……レモネードは舌打ちをした。そして、次の瞬間には驚きの光景が展開される。
「おい、ニコラシカこっち向け」
「え……? ん?!」
言われるがままに、ニコラシカがレモネードの方へと振り向くと、ちゅ、と軽いリップ音が響いた。レモネード少年に見せつけるかのように、レモネードはニコラシカにキスをしたのだ。
(お、大人げねえ~!!)
声に出したら即座に水のリボルバーが飛んできそうだったからなんとか耐えた。多分おいらの肩に乗っかってるルッコラも同じことを思っていると思う。仮にも自分相手だと言うのに……ここまでするレモネードの嫉妬深さを舐めていた。教育に悪いだろこれ……! ニコラシカのやつ、驚きすぎていつもは丸まってるアホ毛がぴーん!と直立しちゃってるし……ほんとに気の毒すぎる……。
「な、なっ……?!てめえマジで大人げねえぞ! 恥ずかしくねーのか?!」
「あ? オレの女にキスして何がわりぃんだよ。ガキはとっとと引っ込むこったな」
レモネード少年の尤もすぎるツッコミなど何処吹く風である。顔を真っ赤にしてるニコラシカを自分の方に引き寄せて、しっしとレモネード少年を追い出そうとする辺り……レモネードの独占欲の強さは半端じゃない。
「れ、レモネードさん! レモネードくんに意地悪しちゃだめです!! そ、それにその……! 教育に悪いです!!」
ハッ!と我に返ったニコラシカは、レモネードをメ!と咎めている。彼女に叱られて「自分相手に意地悪も何もねえだろ」と拗ねたような態度を取って終わる辺り……なんかもうニコラシカすげえなってなるおいら達。あのレモネードを比較的におとなしくさせることができるのは彼女くらいだろう……。
「……おれのこと、子ども扱いすんなよ……」
レモネード少年は俯き、悔しそうに独り言を零す。そして、キッ!とレモネードを強気に睨み付けた後……彼も大胆な行動を取る。
「ニコラシカ、かがめよ」
「? どうしかしましたか? レモネードく、」
レモネード少年の言うとおりに、目線を合わせるように屈んだニコラシカに……彼もまた、ちゅ!と彼女の唇にキスをした。驚きすぎておいらたちの目が飛び出そうになるのも束の間……とんでもない殺気が即座にその場を支配する。
「このマセガキが……!! 誰がこいつにキスしていいっつった?! あぁ?! ぶっ飛ばすぞコラ!!」
マセガキってアンタ、あれ自分だろ!なんておいら達にそんな命知らずなツッコミはできっこない。
「ケッ! オレのこと子どもだからって侮ってるからこうなんだよ! バーカ!」
舌をべー!と出して、レモネード少年はニコラシカに甘えるようにべったりと抱き着く。本当に彼は大人のレモネードよりもあらゆる意味で素直で分かりやすい……。ニコラシカは顔を真っ赤にして「はわ……」ってぷるぷる震えてキャパオーバー迎えてるけど……。
「も、もう! お二人とも! 私はどこにも行きませんし離れたりしませんから……!! 水のリボルバーの構えはだめです~!! 仲良くしてくださーい!」
Wレモネード騒動は、この後も混乱の一途を辿る事となる。ニコラシカを巡る両者の戦いに……決着は付きそうもなかった。
「このチビ……! さっきからこいつにベタベタ引っ付いてんじゃねーよタコが!!」
「はあ? 好きな奴とくっついてなにが悪いんだよ。そっちこそ離れろ!! 自分相手に大人げねえんだよ!」
両者一歩も譲らずな戦いである。レモネード少年はニコラシカの腰周りに抱き着いて離れようとしないし、レモネードはニコラシカの肩に腕を回して自分の方に引き寄せている。そんな二人に挟まれて「お二人とも喧嘩しないでくださーい!」とニコラシカはわたわた困っていた。
「自分相手によくあんなヤキモチ妬けるぞい……あたいには理解できないぞーい!」
「レモネード嫉妬深いからな~。ニコラシカのやつ大変だぜえ……」
おいら達は目の前で繰り広げられている修羅場をじっと見守ることしかできない。ニコラシカを気の毒に思う気持ちは勿論あるのだが……相手が悪すぎる。Wレモネードの間に割って入ろうものなら、下手すればこちらがボコボコにされる可能性大だからだ。自分の身が一番可愛いおいら達を許してくれ……。
両者、暫く睨み合っているかと思えば。埒が明かないといった様子で……レモネードは舌打ちをした。そして、次の瞬間には驚きの光景が展開される。
「おい、ニコラシカこっち向け」
「え……? ん?!」
言われるがままに、ニコラシカがレモネードの方へと振り向くと、ちゅ、と軽いリップ音が響いた。レモネード少年に見せつけるかのように、レモネードはニコラシカにキスをしたのだ。
(お、大人げねえ~!!)
声に出したら即座に水のリボルバーが飛んできそうだったからなんとか耐えた。多分おいらの肩に乗っかってるルッコラも同じことを思っていると思う。仮にも自分相手だと言うのに……ここまでするレモネードの嫉妬深さを舐めていた。教育に悪いだろこれ……! ニコラシカのやつ、驚きすぎていつもは丸まってるアホ毛がぴーん!と直立しちゃってるし……ほんとに気の毒すぎる……。
「な、なっ……?!てめえマジで大人げねえぞ! 恥ずかしくねーのか?!」
「あ? オレの女にキスして何がわりぃんだよ。ガキはとっとと引っ込むこったな」
レモネード少年の尤もすぎるツッコミなど何処吹く風である。顔を真っ赤にしてるニコラシカを自分の方に引き寄せて、しっしとレモネード少年を追い出そうとする辺り……レモネードの独占欲の強さは半端じゃない。
「れ、レモネードさん! レモネードくんに意地悪しちゃだめです!! そ、それにその……! 教育に悪いです!!」
ハッ!と我に返ったニコラシカは、レモネードをメ!と咎めている。彼女に叱られて「自分相手に意地悪も何もねえだろ」と拗ねたような態度を取って終わる辺り……なんかもうニコラシカすげえなってなるおいら達。あのレモネードを比較的におとなしくさせることができるのは彼女くらいだろう……。
「……おれのこと、子ども扱いすんなよ……」
レモネード少年は俯き、悔しそうに独り言を零す。そして、キッ!とレモネードを強気に睨み付けた後……彼も大胆な行動を取る。
「ニコラシカ、かがめよ」
「? どうしかしましたか? レモネードく、」
レモネード少年の言うとおりに、目線を合わせるように屈んだニコラシカに……彼もまた、ちゅ!と彼女の唇にキスをした。驚きすぎておいらたちの目が飛び出そうになるのも束の間……とんでもない殺気が即座にその場を支配する。
「このマセガキが……!! 誰がこいつにキスしていいっつった?! あぁ?! ぶっ飛ばすぞコラ!!」
マセガキってアンタ、あれ自分だろ!なんておいら達にそんな命知らずなツッコミはできっこない。
「ケッ! オレのこと子どもだからって侮ってるからこうなんだよ! バーカ!」
舌をべー!と出して、レモネード少年はニコラシカに甘えるようにべったりと抱き着く。本当に彼は大人のレモネードよりもあらゆる意味で素直で分かりやすい……。ニコラシカは顔を真っ赤にして「はわ……」ってぷるぷる震えてキャパオーバー迎えてるけど……。
「も、もう! お二人とも! 私はどこにも行きませんし離れたりしませんから……!! 水のリボルバーの構えはだめです~!! 仲良くしてくださーい!」
Wレモネード騒動は、この後も混乱の一途を辿る事となる。ニコラシカを巡る両者の戦いに……決着は付きそうもなかった。