短編夢まとめ

「てめえが座るとこはそこじゃねえだろ」

 ソファに腰掛けたレモネードさんのお隣に座ろうとしたら、がしりと腕を掴まれる。え?、と困惑から声を漏らしたのも束の間、私の身体はそのままレモネードさんの腕の中に収められて……なんと、彼の膝の上に座る形となってしまっていたのだ。

「れ、レモネードさん……?! だ、だめですっ! 私、重いですから……!!」

 恥ずかしさから頬が熱くなって、私はついわたわたと身体を捩らせてしまう。しかし、レモネードさんはそれがお気に召さなかったのか……ますます私を抱き締める力を強めてしまった。拗ねたようなお顔が、なんだかとっても可愛くて……私は一瞬言葉を失う。

「重くねえよ。つーか、オレさまのこと甘く見てんじゃねえっつの。……いいから、大人しくしとけ」

 ぴったりとくっつけられた、レモネードさんのお身体。彼の体温や吐息を間近に感じて、心臓がどきどきと高鳴ってしまう。気恥ずかしかったけれど、レモネードさんが私に……甘えてくださっているのだと思うと、とっても、嬉しくて仕方がなかった。

「……レモネードさんがこんなに近くにいらっしゃるの、どきどきしちゃいます」
「あぁ? 今更何言ってやがる。もっとすげえことしてるだろうが」
「そ、それとはまた別なんですっ!」

 かああ……っ!と顔を真っ赤にして思わず抗議すると、レモネードさんはどことなく意地悪に……楽しそうに笑う。
 ……普段はとってもかっこいいのに、時折見せてくださる無邪気な表情は可愛らしくて。本当にレモネードさんはずるいなあ、なんて思った。



オマケ

(こ、こんなとこでいちゃついてんじゃねえYO〜!)

 リビングにて繰り広げられている、二人のいちゃつき劇場に遭遇してしまったパンプキンは内心で叫んだ。
 冷凍庫にしまっておいた、コンビニ限定のアイスを取りに来ただけだったのに……。何が悲しくて、このリア充全開オーラでハート撒き散らしてる二人を目撃しなければならないのか。というかこのタイミングでリビングに足を踏み入れたら、間違いなく消される……!なんでこんな目に合わなければならないのか……。

「……クスクス、ちょっとおれのほっぺ適当に抓ってくれYO……」
「カカカ!」

 クスクスに抓ってもらった頬はやはり痛くて、これは無情にも現実なのだなと……パンプキンは頬を抑えながら実感したのであった。
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