陽だまりの恋を追いかけて
ぴょこぴょこと揺れる金色のアホ毛。それはよく見知った少女のトレードマーク。ヤキソバの肩に乗っていたルッコラは身を乗り出して、少女の名前を呼んだ。
「ニコラシカ〜!久しぶりだぞーい!」
名を呼ばれた少女はぴたり、と立ち止まって、くるりと声がした方へと振り返る。ルッコラとヤキソバの姿を視認するや否や、ぱっと明るい笑顔を浮かべて、ぱたぱたと彼らの方へと駆け寄った。
「ルッコラちゃんにヤキソバさん!! お久しぶりです、奇遇ですね!」
「ビシソワーズパーティーの時以来だな〜。元気にしてたか?」
「はい! お陰様で……!」
「全然連絡ないから心配したぞーい! ……えいっ!」
ヤキソバの肩からルッコラはぴょーん!と勢いよく飛び降りて、ニコラシカの腕の中へとダイブする。会いたかったぞーい!と嬉しそうに抱き着いてくる彼女に、ニコラシカは穏やかに微笑む。
「……お、そういえばレモネードは? 一緒じゃね〜のか〜?」
「今は少し別行動していて……待ち合わせの時間まで、ちょっと街を見てたんです」
「そうだったんだ〜! 珍しいこともあるぞーい……って、ん?」
ニコラシカと少し会話を交わしている最中、ルッコラはあることに気付く。ニコラシカの左手薬指に……きらきらと銀色に輝く……指輪が嵌っていることに。
「ね、ねえ……ニコラシカ、その指輪……もしかして……!!」
ルッコラは思わず衝撃のあまり、ぷるぷる震えながら指摘する。
「え? あっ……! えへへ、そういえば言ってませんでしたね……その、実は、」
レモネードさんと結婚したんです、と照れくさそうに述べるニコラシカ。衝撃の一言に、ヤキソバとルッコラは思わず声にならない叫びを上げた。
***
「なーんであたい達のこと呼んでくれなかったんだぞーい! ルッコラ、ニコラシカの綺麗なお嫁さん姿見たかったぞーい!!」
「ケッ、うるせえ。呼ぶ筋合いなんかねえよ」
「いやいくら何でもおいら達に冷たすぎるだろレモネードよ〜! ちゃーんとご祝儀だって用意したぜえ?」
ニコラシカと合流して早々、レモネードはヤキソバとルッコラに囲い込まれることとなる。会って早々なんなんだテメエら!!と怒鳴りつけるも、ルッコラはそれに怯まない。
「レモネードも指輪してる……ほんとにほんとに結婚したんだ……!酷いぞい!あたい達にもお祝いさせてほしかったぞーい! えーん!」
「ご、ごめんなさいルッコラちゃん……!」
「……チッ、謝ることねーだろ。だいたい、ちゃんと挙げたわけじゃねえし、てめえら呼ぶほどのもんでもなかったんだよ」
泣いている仕草を取るルッコラを見て、オロオロし始めるニコラシカ。それを見兼ねたのか、レモネードはめんどくさそうに事実を話し始める。ニコラシカには指輪を贈っただけで、結婚式をしたといっても擬似的なものでしかなかったことを。
「だったらちゃんと挙げるぞーい! それでそれで〜!美味しいご馳走たっくさん食べながら、ニコラシカの綺麗な花嫁姿見るんだぞーい! あ、友だち代表としてあたいがスピーチもするぞい!」
「てめえは豪華な飯食いてえだけなんじゃねえの」
「そんなことないぞーい!」
結婚式は女の子の夢だぞい!ときゃっきゃとはしゃぐルッコラ。自分達の結婚を祝おうとしてくれているのだという事実に、ニコラシカは目頭が熱くなる。
「……えへ、なんだか嬉しいです。私、大好きな人と一緒にいられて、お友達にも恵まれて……とっても、幸せ者です!」
はにかむニコラシカを見て、「大袈裟すぎなんだよ」と、レモネードはそっぽを向いた。
「ニコラシカ〜!久しぶりだぞーい!」
名を呼ばれた少女はぴたり、と立ち止まって、くるりと声がした方へと振り返る。ルッコラとヤキソバの姿を視認するや否や、ぱっと明るい笑顔を浮かべて、ぱたぱたと彼らの方へと駆け寄った。
「ルッコラちゃんにヤキソバさん!! お久しぶりです、奇遇ですね!」
「ビシソワーズパーティーの時以来だな〜。元気にしてたか?」
「はい! お陰様で……!」
「全然連絡ないから心配したぞーい! ……えいっ!」
ヤキソバの肩からルッコラはぴょーん!と勢いよく飛び降りて、ニコラシカの腕の中へとダイブする。会いたかったぞーい!と嬉しそうに抱き着いてくる彼女に、ニコラシカは穏やかに微笑む。
「……お、そういえばレモネードは? 一緒じゃね〜のか〜?」
「今は少し別行動していて……待ち合わせの時間まで、ちょっと街を見てたんです」
「そうだったんだ〜! 珍しいこともあるぞーい……って、ん?」
ニコラシカと少し会話を交わしている最中、ルッコラはあることに気付く。ニコラシカの左手薬指に……きらきらと銀色に輝く……指輪が嵌っていることに。
「ね、ねえ……ニコラシカ、その指輪……もしかして……!!」
ルッコラは思わず衝撃のあまり、ぷるぷる震えながら指摘する。
「え? あっ……! えへへ、そういえば言ってませんでしたね……その、実は、」
レモネードさんと結婚したんです、と照れくさそうに述べるニコラシカ。衝撃の一言に、ヤキソバとルッコラは思わず声にならない叫びを上げた。
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「なーんであたい達のこと呼んでくれなかったんだぞーい! ルッコラ、ニコラシカの綺麗なお嫁さん姿見たかったぞーい!!」
「ケッ、うるせえ。呼ぶ筋合いなんかねえよ」
「いやいくら何でもおいら達に冷たすぎるだろレモネードよ〜! ちゃーんとご祝儀だって用意したぜえ?」
ニコラシカと合流して早々、レモネードはヤキソバとルッコラに囲い込まれることとなる。会って早々なんなんだテメエら!!と怒鳴りつけるも、ルッコラはそれに怯まない。
「レモネードも指輪してる……ほんとにほんとに結婚したんだ……!酷いぞい!あたい達にもお祝いさせてほしかったぞーい! えーん!」
「ご、ごめんなさいルッコラちゃん……!」
「……チッ、謝ることねーだろ。だいたい、ちゃんと挙げたわけじゃねえし、てめえら呼ぶほどのもんでもなかったんだよ」
泣いている仕草を取るルッコラを見て、オロオロし始めるニコラシカ。それを見兼ねたのか、レモネードはめんどくさそうに事実を話し始める。ニコラシカには指輪を贈っただけで、結婚式をしたといっても擬似的なものでしかなかったことを。
「だったらちゃんと挙げるぞーい! それでそれで〜!美味しいご馳走たっくさん食べながら、ニコラシカの綺麗な花嫁姿見るんだぞーい! あ、友だち代表としてあたいがスピーチもするぞい!」
「てめえは豪華な飯食いてえだけなんじゃねえの」
「そんなことないぞーい!」
結婚式は女の子の夢だぞい!ときゃっきゃとはしゃぐルッコラ。自分達の結婚を祝おうとしてくれているのだという事実に、ニコラシカは目頭が熱くなる。
「……えへ、なんだか嬉しいです。私、大好きな人と一緒にいられて、お友達にも恵まれて……とっても、幸せ者です!」
はにかむニコラシカを見て、「大袈裟すぎなんだよ」と、レモネードはそっぽを向いた。