陽だまりの恋を追いかけて
レモネードさんが好き。彼がどんなに、許されることのない悪いことを繰り返し続けていたとしても、私のこの気持ちが変わることはない。決して。
大好き。愛している。例え、世界中の人々を敵に回したとしても、私はずっと、永遠に貴方を愛することをやめられないのです。
「オレは、てめえが思っているような人間じゃねえんだよ。たかが昔、一回助けられたくらいで、変な勘違いしてんじゃねえ……!!」
この想いは、勘違いなんかじゃありません。レモネードさん、私は、ありのままの貴方が好きなのです。
……きっと、そう言ったとしても。今のレモネードさんに私の言葉は届かない。だから私は、今できる精一杯の笑みを浮かべるしかない。
「レモネードさん。レモネードさんがリゾットくんやテトさんにしたことは、決して許されない、悪いことです。……それでも、私は、貴方のことが好きなんです。レモネードさんが悪い人でも、私のこの想いは変わりません。ありのままの貴方が大好きなんです。……ずっと」
息を呑む音。レモネードさんは信じられないものを見たような瞳で、私を捉える。それはどこか苦しそうで、今すぐに抱きしめてあげたくなってしまう。
「……この禁カブト、受け取ってください。私は自分の分を、これから探しにいきますから」
レモネードさんの手に、持っていた禁カブトを押し付ける。
「……テメエ、何考えて、」
「……レモネードさんなら、この戦いで、何かを得られるはずですよ」
私はレモネードさんのお役に立てる為なら、自分の命なんて微塵も惜しくない。レモネードさんが抱えている苦しみは……きっと、この戦いを乗り越えた先で、晴れるものだ。
私は、そのお手伝いをするだけ。
「レモネードさん、愛しています」
私の戦いはここまでだ。だから最期に、嘘偽りない、私の気持ちを口にして、レモネードさんの元から去った。
***
大好き。愛している。純粋な好意を向けられる度に、ずっとずっと苦しかった。
オレはお前の思うような人間じゃない。助けたのはただの偶然で、それもお前の為なんかじゃなかった。オレはずっと自分の為だけに生きてきたんだ。
お前に、愛されるような人間じゃない。だからとっとと幻滅して、オレから離れればいい。
……そうすれば、期待せずに済むだろ。他人に期待なんざ端からしていない。オレはそうやってずっと、独りで這い上がって生きてきたんだよ。
「ありのままのレモネードさんが好きです」
だというのに。なんでテメエは最後までそうなんだよ。へらへら笑ってんじゃねえよ。どうしてオレから離れようとしねえんだ。何度も何度も傷つけられてるくせに、どうして好きとか寝惚けたこと言えんだよ……!
「良い子ちゃんぶってんじゃねえ……!」
渡された禁カブトを強めに握り締める。いっそ偽物だったらよかったのに。そうすれば、彼女の愛なんてなかった、自分はまんまと騙されただけだったと……切り捨てることができたのに。
無情にも、禁カブトは本物だった。開かれた檻の扉。彼女の愛に嘘偽りはないと、否が応でも証明される。
『レモネードさん、愛しています』
脳裏に過った女……ニコラシカの笑顔は、どこか儚げだった。それは、彼女がこの檻に来ることはないのだと示しているように思えて、どうしようもなく苛立った。
大好き。愛している。例え、世界中の人々を敵に回したとしても、私はずっと、永遠に貴方を愛することをやめられないのです。
「オレは、てめえが思っているような人間じゃねえんだよ。たかが昔、一回助けられたくらいで、変な勘違いしてんじゃねえ……!!」
この想いは、勘違いなんかじゃありません。レモネードさん、私は、ありのままの貴方が好きなのです。
……きっと、そう言ったとしても。今のレモネードさんに私の言葉は届かない。だから私は、今できる精一杯の笑みを浮かべるしかない。
「レモネードさん。レモネードさんがリゾットくんやテトさんにしたことは、決して許されない、悪いことです。……それでも、私は、貴方のことが好きなんです。レモネードさんが悪い人でも、私のこの想いは変わりません。ありのままの貴方が大好きなんです。……ずっと」
息を呑む音。レモネードさんは信じられないものを見たような瞳で、私を捉える。それはどこか苦しそうで、今すぐに抱きしめてあげたくなってしまう。
「……この禁カブト、受け取ってください。私は自分の分を、これから探しにいきますから」
レモネードさんの手に、持っていた禁カブトを押し付ける。
「……テメエ、何考えて、」
「……レモネードさんなら、この戦いで、何かを得られるはずですよ」
私はレモネードさんのお役に立てる為なら、自分の命なんて微塵も惜しくない。レモネードさんが抱えている苦しみは……きっと、この戦いを乗り越えた先で、晴れるものだ。
私は、そのお手伝いをするだけ。
「レモネードさん、愛しています」
私の戦いはここまでだ。だから最期に、嘘偽りない、私の気持ちを口にして、レモネードさんの元から去った。
***
大好き。愛している。純粋な好意を向けられる度に、ずっとずっと苦しかった。
オレはお前の思うような人間じゃない。助けたのはただの偶然で、それもお前の為なんかじゃなかった。オレはずっと自分の為だけに生きてきたんだ。
お前に、愛されるような人間じゃない。だからとっとと幻滅して、オレから離れればいい。
……そうすれば、期待せずに済むだろ。他人に期待なんざ端からしていない。オレはそうやってずっと、独りで這い上がって生きてきたんだよ。
「ありのままのレモネードさんが好きです」
だというのに。なんでテメエは最後までそうなんだよ。へらへら笑ってんじゃねえよ。どうしてオレから離れようとしねえんだ。何度も何度も傷つけられてるくせに、どうして好きとか寝惚けたこと言えんだよ……!
「良い子ちゃんぶってんじゃねえ……!」
渡された禁カブトを強めに握り締める。いっそ偽物だったらよかったのに。そうすれば、彼女の愛なんてなかった、自分はまんまと騙されただけだったと……切り捨てることができたのに。
無情にも、禁カブトは本物だった。開かれた檻の扉。彼女の愛に嘘偽りはないと、否が応でも証明される。
『レモネードさん、愛しています』
脳裏に過った女……ニコラシカの笑顔は、どこか儚げだった。それは、彼女がこの檻に来ることはないのだと示しているように思えて、どうしようもなく苛立った。