ギーマ夢主の名前変換
ギーマ(BW)×固定夢主💮
🪙夢主の名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ギーマさんに貪るように抱かれたその夜、あたしは夢を見た。ギーマさんが寂しそうな声で、あたしに別れを告げる不吉な夢を。
いつもなら、朝の光とともに彼が意地悪くも甘いキスで起こしてくれるはずのベッドで、あたしはゆっくりと重い瞼を開けた。
「ん……ギーマ、さん……?」
無意識に隣へ手を伸ばす。しかし、そこにあるはずの温もりはなく、シーツはひんやりと冷たかった。
身を起こすと、昨夜の激しくも切実だった情事の余韻が、甘い痛みとなって全身に走る。素肌には、彼が「わたしなしではいられないように」と狂おしいほどに刻み込んだ、無数の赤い痕が痛々しいほどに残っていた。
「……ギーマさん? もう起きてるんですか……?」
部屋の中を見渡しても、彼の姿はない。シャワールームから水の音も聞こえない。
ただ、部屋の空気が、どうしようもなくからっぽだった。
いつもなら無造作に掛けられているはずの彼の燕尾服風のスーツや、こだわりの革靴がない。それどころか、彼の私物のほとんどが、綺麗に持ち去られていた。
残されているのは、微かに漂う冷たくて甘い香水の匂いだけ。
「え……? 嘘、どこに……」
胸の奥が、ざわざわと嫌な音を立てる。
急いで服を着ようとしたその時、サイドテーブルに置かれていたあたしのライブキャスターが、けたたましい着信音を鳴らした。画面には、四天王のシキミさんの名前が表示されている。
「は、はい! シキミさん、おはようございま――」
『フランさん! 大変です! ギーマさんが……ギーマさんが、昨夜のうちにリーグに辞表を提出して、姿を消してしまったんです!』
「…………え?」
ライブキャスターの向こうで、シキミさんがひどく慌てた声で何かを説明している。
人生を賭けた大勝負に負けたらしいこと。地位も財産もすべてを手放し、リーグからも籍を抜いたこと。誰にも行き先を告げずに、イッシュ地方を去ってしまったらしいこと。
シキミさんの声が、遠くのノイズのように聞こえた。
あたしの手からライブキャスターが滑り落ち、ふかふかの絨毯の上にポスッと鈍い音を立てる。
「……うそだ」
よろけるような足取りでクローゼットを開けると、空っぽのハンガーが虚しく揺れていた。
昨日の夜。あんなにも優しく、泣きたくなるほど甘くあたしを抱きしめてくれたのに。
「愛している」と、何度も何度もあたしの奥深くに熱を刻み込んでくれたのに。
『……わたしのような敗北者のことなど忘れて……幸せになるんだぜ』
眠りに落ちる寸前、夢うつつの中で聞いたあの掠れた声は、幻なんかじゃなかったんだ。
あれは、ギーマさんなりの「さよなら」だったのだ。
「なんで……っ、どうしてっ……!!」
ポロポロと、大粒の涙が瞳から溢れ出した。
膝から崩れ落ち、彼の匂いが残るシーツを両手でぎゅっと握りしめる。
すべてを失ったから? あたしに迷惑を掛けたくなかったから?だからって、何も言わずにいなくなるなんてずるい。あたしに選ばせることすらしてくれないなんて、そんなの、ひどすぎる。
「わふっ……、くぅん……」
泣き崩れるあたしの傍らに、いつの間にかモンスターボールから出てきたエナが寄り添い、心配そうに頬をぺろりと舐めた。
「エナぁ……っ、ギーマさんが、いなくなっちゃった……っ。あたしのこと、置いていっちゃったよぉ……っ」
エナの黒い毛並みに顔を埋め、あたしは子どものように声を上げて泣きじゃくった。
勝手にいなくなるなんて許せない。だけど、それ以上に……彼が今、たった一人でどれほどの絶望と孤独の中にいるのかを想像すると、胸が張り裂けそうだった。
どれだけ時間が経っただろうか。
ひとしきり泣いて、涙も枯れ果てた頃。あたしはふらりと立ち上がり、洗面台の鏡の前に立った。
鏡に映る自分の身体には、彼が執着するように残した朱色のキスマークが、痛々しいほど鮮明に刻まれている。
それを見るたびに、ギーマさんがどれだけあたしのことを愛してくれていたかが、嫌でも伝わってきた。本当にどうでもよくなったのなら、こんなにも深く、消えないような痕を残すはずがない。
(……ギーマさんは、敗北者なんかじゃないのに)
四天王として、いつも華麗なバトルであたしを魅了してくれた憧れの人。
プラズマ団からエナを救い出してくれた、世界で一番優しくて、大好きなあたしの恋人。
いつもあたしを助けてくれたギーマさんを、今度はあたしが支えたい。そんなふうに思うことは、烏滸がましいことなのだろうか。
「ギーマさんがどんなふうになってしまっても、あたしの気持ちは変わらないのに……」
鏡の中の自分に向けて、震える声がぽつりとこぼれ落ちる。
地位や財産を失ったからなんだというのだろう。四天王という輝かしい肩書きがなくなったって、あたしにとっては世界でただ一人、愛してやまない「ギーマさん」であることに変わりはないのに。
これまで、あたしは彼にたくさんのものをもらってきた。
危ないところを助けてくれた。いつだって大人の余裕で、あたしのすべてを甘く包み込んでくれていた。
だからこそ、今度はあたしの番だと思っていたのだ。彼が人生の大勝負に敗れて、何もかもを失って暗闇に落ちてしまったのなら、今度はあたしが彼の手を引いて、何度でも光の当たる場所へ連れ出したかった。
一緒に泥をかぶって、一緒に立ち上がりたかった。すべてを失った彼を、今度はあたしがこの腕で、思いきり抱きしめたかったのに。
「……どうして、何も教えてくれなかったの……っ」
彼があたしを置いていった理由は、痛いほどにわかる。自分の背負った絶望や失敗に、これからの未来があるあたしを巻き込みたくなかったのだろう。それが、あの勝負師なりの不器用で優しすぎる「愛」なのだということも。
でも、そんなのあんまりだ。
昨日あんなにも情熱的に、すべてを溶かすように愛し合ったのに。いつまでもずっと一緒にいられるのだと、そう信じていたのに。
「あたしは……一緒に背負うことすら、許してもらえなかったの……?」
相談することもなく、ただ「幸せになれ」と一方的に突き放されてしまった。
自分は彼にとって、一緒に隣を歩くパートナーではなく、ただ安全な場所から守られるだけの……そんなにも頼りない、ちっぽけな恋人だったのだろうか。自分の足で彼と共に苦難を乗り越える強さすらないと、そう思われていたのだろうか。
その事実が、彼がいなくなってしまった喪失感と同じくらい、深く、鋭くあたしの心を抉った。
「ばか……っ、ギーマさんの、ばかぁ……っ」
洗面台の縁を両手でぎゅっと掴むと、堪えきれなくなった涙が再びポタポタと水受けに落ちて弾けた。
エナが悲しげに「くぅん」と鳴いて、あたしの足にすり寄ってくる。その温もりにすがりつくように、あたしは再びその場にへたり込んだ。
「ひぐっ、うぅ……っ、あたしじゃ、だめだったのかなぁ……っ」
部屋にはまだ、あの冷たくて甘い香水の匂いが微かに残っている。彼が確かにここにいて、熱狂的にあたしを愛してくれた証拠が、痛いほどにそこかしこに散らばっていた。
あたしは愛しい人の匂いが染み付いたシーツに顔を押し当てながら、自分の無力さと、彼への行き場のない愛情に胸を締め付けられた。
「うわああぁぁん……っ、ギーマ、さぁん……っ! どこにも、いかないでよぉ……っ!」
何も告げずに去ってしまったずるい勝負師を想いながら、あたしは誰もいなくなった冷たい部屋の中で、エナをきつく抱きしめ、しばらくの間ただひたすらに泣き続けた。
いつもなら、朝の光とともに彼が意地悪くも甘いキスで起こしてくれるはずのベッドで、あたしはゆっくりと重い瞼を開けた。
「ん……ギーマ、さん……?」
無意識に隣へ手を伸ばす。しかし、そこにあるはずの温もりはなく、シーツはひんやりと冷たかった。
身を起こすと、昨夜の激しくも切実だった情事の余韻が、甘い痛みとなって全身に走る。素肌には、彼が「わたしなしではいられないように」と狂おしいほどに刻み込んだ、無数の赤い痕が痛々しいほどに残っていた。
「……ギーマさん? もう起きてるんですか……?」
部屋の中を見渡しても、彼の姿はない。シャワールームから水の音も聞こえない。
ただ、部屋の空気が、どうしようもなくからっぽだった。
いつもなら無造作に掛けられているはずの彼の燕尾服風のスーツや、こだわりの革靴がない。それどころか、彼の私物のほとんどが、綺麗に持ち去られていた。
残されているのは、微かに漂う冷たくて甘い香水の匂いだけ。
「え……? 嘘、どこに……」
胸の奥が、ざわざわと嫌な音を立てる。
急いで服を着ようとしたその時、サイドテーブルに置かれていたあたしのライブキャスターが、けたたましい着信音を鳴らした。画面には、四天王のシキミさんの名前が表示されている。
「は、はい! シキミさん、おはようございま――」
『フランさん! 大変です! ギーマさんが……ギーマさんが、昨夜のうちにリーグに辞表を提出して、姿を消してしまったんです!』
「…………え?」
ライブキャスターの向こうで、シキミさんがひどく慌てた声で何かを説明している。
人生を賭けた大勝負に負けたらしいこと。地位も財産もすべてを手放し、リーグからも籍を抜いたこと。誰にも行き先を告げずに、イッシュ地方を去ってしまったらしいこと。
シキミさんの声が、遠くのノイズのように聞こえた。
あたしの手からライブキャスターが滑り落ち、ふかふかの絨毯の上にポスッと鈍い音を立てる。
「……うそだ」
よろけるような足取りでクローゼットを開けると、空っぽのハンガーが虚しく揺れていた。
昨日の夜。あんなにも優しく、泣きたくなるほど甘くあたしを抱きしめてくれたのに。
「愛している」と、何度も何度もあたしの奥深くに熱を刻み込んでくれたのに。
『……わたしのような敗北者のことなど忘れて……幸せになるんだぜ』
眠りに落ちる寸前、夢うつつの中で聞いたあの掠れた声は、幻なんかじゃなかったんだ。
あれは、ギーマさんなりの「さよなら」だったのだ。
「なんで……っ、どうしてっ……!!」
ポロポロと、大粒の涙が瞳から溢れ出した。
膝から崩れ落ち、彼の匂いが残るシーツを両手でぎゅっと握りしめる。
すべてを失ったから? あたしに迷惑を掛けたくなかったから?だからって、何も言わずにいなくなるなんてずるい。あたしに選ばせることすらしてくれないなんて、そんなの、ひどすぎる。
「わふっ……、くぅん……」
泣き崩れるあたしの傍らに、いつの間にかモンスターボールから出てきたエナが寄り添い、心配そうに頬をぺろりと舐めた。
「エナぁ……っ、ギーマさんが、いなくなっちゃった……っ。あたしのこと、置いていっちゃったよぉ……っ」
エナの黒い毛並みに顔を埋め、あたしは子どものように声を上げて泣きじゃくった。
勝手にいなくなるなんて許せない。だけど、それ以上に……彼が今、たった一人でどれほどの絶望と孤独の中にいるのかを想像すると、胸が張り裂けそうだった。
どれだけ時間が経っただろうか。
ひとしきり泣いて、涙も枯れ果てた頃。あたしはふらりと立ち上がり、洗面台の鏡の前に立った。
鏡に映る自分の身体には、彼が執着するように残した朱色のキスマークが、痛々しいほど鮮明に刻まれている。
それを見るたびに、ギーマさんがどれだけあたしのことを愛してくれていたかが、嫌でも伝わってきた。本当にどうでもよくなったのなら、こんなにも深く、消えないような痕を残すはずがない。
(……ギーマさんは、敗北者なんかじゃないのに)
四天王として、いつも華麗なバトルであたしを魅了してくれた憧れの人。
プラズマ団からエナを救い出してくれた、世界で一番優しくて、大好きなあたしの恋人。
いつもあたしを助けてくれたギーマさんを、今度はあたしが支えたい。そんなふうに思うことは、烏滸がましいことなのだろうか。
「ギーマさんがどんなふうになってしまっても、あたしの気持ちは変わらないのに……」
鏡の中の自分に向けて、震える声がぽつりとこぼれ落ちる。
地位や財産を失ったからなんだというのだろう。四天王という輝かしい肩書きがなくなったって、あたしにとっては世界でただ一人、愛してやまない「ギーマさん」であることに変わりはないのに。
これまで、あたしは彼にたくさんのものをもらってきた。
危ないところを助けてくれた。いつだって大人の余裕で、あたしのすべてを甘く包み込んでくれていた。
だからこそ、今度はあたしの番だと思っていたのだ。彼が人生の大勝負に敗れて、何もかもを失って暗闇に落ちてしまったのなら、今度はあたしが彼の手を引いて、何度でも光の当たる場所へ連れ出したかった。
一緒に泥をかぶって、一緒に立ち上がりたかった。すべてを失った彼を、今度はあたしがこの腕で、思いきり抱きしめたかったのに。
「……どうして、何も教えてくれなかったの……っ」
彼があたしを置いていった理由は、痛いほどにわかる。自分の背負った絶望や失敗に、これからの未来があるあたしを巻き込みたくなかったのだろう。それが、あの勝負師なりの不器用で優しすぎる「愛」なのだということも。
でも、そんなのあんまりだ。
昨日あんなにも情熱的に、すべてを溶かすように愛し合ったのに。いつまでもずっと一緒にいられるのだと、そう信じていたのに。
「あたしは……一緒に背負うことすら、許してもらえなかったの……?」
相談することもなく、ただ「幸せになれ」と一方的に突き放されてしまった。
自分は彼にとって、一緒に隣を歩くパートナーではなく、ただ安全な場所から守られるだけの……そんなにも頼りない、ちっぽけな恋人だったのだろうか。自分の足で彼と共に苦難を乗り越える強さすらないと、そう思われていたのだろうか。
その事実が、彼がいなくなってしまった喪失感と同じくらい、深く、鋭くあたしの心を抉った。
「ばか……っ、ギーマさんの、ばかぁ……っ」
洗面台の縁を両手でぎゅっと掴むと、堪えきれなくなった涙が再びポタポタと水受けに落ちて弾けた。
エナが悲しげに「くぅん」と鳴いて、あたしの足にすり寄ってくる。その温もりにすがりつくように、あたしは再びその場にへたり込んだ。
「ひぐっ、うぅ……っ、あたしじゃ、だめだったのかなぁ……っ」
部屋にはまだ、あの冷たくて甘い香水の匂いが微かに残っている。彼が確かにここにいて、熱狂的にあたしを愛してくれた証拠が、痛いほどにそこかしこに散らばっていた。
あたしは愛しい人の匂いが染み付いたシーツに顔を押し当てながら、自分の無力さと、彼への行き場のない愛情に胸を締め付けられた。
「うわああぁぁん……っ、ギーマ、さぁん……っ! どこにも、いかないでよぉ……っ!」
何も告げずに去ってしまったずるい勝負師を想いながら、あたしは誰もいなくなった冷たい部屋の中で、エナをきつく抱きしめ、しばらくの間ただひたすらに泣き続けた。