行きつく先はみな同じ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ある日の午後、鉛色の空から雨が降り注ぐ。
明はカフェ店内から降り注いでいる雨と傘をさして歩く人々を見ながら憂鬱になる。――昔から雨は嫌いだ。雨が降った日は外に洗濯物が干せず、生乾きで臭くなるし食べ物にカビが発生源したりスナック菓子がしけたりする。とにかく、雨は嫌いだ。
(ああこのぶんだと明日まで降り続くなあ)
「ーーーーーーー明ってば、聞いてるの?」
『聞いてるよ皐月。で、土方が何?』
いつの間にか思考にふけっていたらしく目の前で恋人である皐月が、頬を膨らませて俺を軽く睨んでいた。苦笑しながら問う。今日は映画デートで、皐月が最近ハマっているという薄桜鬼というアニメの映画の前編を観てきたのだが。世間でアニヲタと呼ばれている彼女は映画を観ながら終始興奮し、今もこの調子だ
「だから劇場版の土方さんがカッコよすぎるって話だよ。本当に話聞いてた?」
拗ねてしまう前に素直に「ごめん」と謝る。やっぱり聞いてなかったのか言う顔をした後、じっと俺の顔をみつめはじた
『何だよ皐月、俺の顔に何か付いてるか?』
「いやー見れば見るほど明の顔って薫に似てるなーと思って」
いや薫って誰だよ。そう言いかけたが、なんかいたなー、そういうヤツ。もともと薄桜鬼の知識がないだけに、思い出すのに数秒かかった。一度思い出してしまえば芋づる式に記憶が引っ張られおぼろげだった顔がハッキリと思い出されて、・・・・あれ、俺遠まわしに女顔って言われた?記憶の奥底にある暗黒歴ゾーンから
「私初めて明と会った時、鬼バージョンの薫がリアルにいるって思っちゃった」
『鬼バージョンって何?』
「ふっふー、それはねーってもうこんな時間!明バイト遅れちゃうよ」
皐月に言われて腕時計に目をおとせば4時だった、四時半からあるバイトに遅刻してしまう
『皐月ゴメンもう行くね』
「あ、待って薄桜鬼の漫画全巻貸してあげるから。薫の事もわかるよ」
何で今持ってんだ。デートだぞ。
『ありがと』
バックに薄桜鬼を全巻入れ走りだそうとした時
「あ、あとね、明もうすぐ誕生日でしょ。それでね、えっとね、プレゼントの事何だけど・・・」
『皐月悪い、また今度な』
「・・・うん、やっぱり誕生日に言うよ。バイト、頑張ってね」
『おう』
小さくガッツポーズして皐月と別れた。でも、この時に誕生日プレゼントは何か聞いておけばよかった
『スイマセン店長遅れました』
あの後走ったが少し遅れてしまった、だけど店長は
「いいよいいよ、彼女さんと会って来たんだろ?今度から遅れないようにね」
『ありがとうございます、店長』
店長にはなんでもお見通しで、この前遅刻した奴に「そんな事をしていると痛い目にあうよ」と言っていた。そいつは戯言と笑っていたけど、数日後ボロボロの姿でバイトに来た。話を聞いたら二股をかけていたらしく、そしてばれてしまい鉄拳制裁(物理)をされたらしい。この一件で店長は俺たちバイトの間で恐れられるようになった
俺は制服に着替えるとすぐ仕事に取り掛かる。今日は休日と客が多く、ひと段落して時計を見ればデジタル時計は23:11と表示されていた。
「明君、今日は上がっていいよ。何だか嫌な予感がするからね」
『わかりました。お疲れ様です、それじゃあ、お先に失礼します』
俺は仕度を素早く整えると店を出た。
『ただいまー』
暗い廊下に向かって、言葉を投げるが。当然返ってくるはずがない。俺には両親が居ない。幼い頃に交通事故で死んでしまった。双子の妹がいるが、両親が死んでそれぞれ別の親戚のもとへと引き取られて、それ以来逢っていない。高校卒業を機に一人暮らしをはじめて、大学の費用はバイトと俺を引き取ってくれた親戚の人が毎月高額の仕送りを送ってくれているのでなんなとかなっている。
シャワーを浴びたあと時計を見ると0時だった、もうそろそろ寝るかと思い寝室にむかい、寝る前に皐月に借りた薄桜鬼の漫画を読むことにした。
そして読み終わった感想は
『薫はシスコンで心が病んでるのか』
であった。だって実の妹を殺そうとするとか、妹が大切な俺には考えられない。双子ならなおさらだ、双子にとって片割れは自分自身みたいなものなのだから
薫最終的に殺されてるし
全巻読み終わった時二階で音がした。大体音がするはずがない。この家には俺以外誰も居ない、不思議に思い二階に行く。だけどそれが間違いだった
二階に行くと窓が割られていてそこから入ってくる人間が居た
『おい』
不法侵入者に声をかける、刹那
パンッ。
乾いた音がした。瞬間、左胸に鋭い痛みが走り、下を向くと血に染まる俺の左胸が見えた。俺はその場に倒れ伏し、最後に見えたのは俺を撃った犯人だった。
明はカフェ店内から降り注いでいる雨と傘をさして歩く人々を見ながら憂鬱になる。――昔から雨は嫌いだ。雨が降った日は外に洗濯物が干せず、生乾きで臭くなるし食べ物にカビが発生源したりスナック菓子がしけたりする。とにかく、雨は嫌いだ。
(ああこのぶんだと明日まで降り続くなあ)
「ーーーーーーー明ってば、聞いてるの?」
『聞いてるよ皐月。で、土方が何?』
いつの間にか思考にふけっていたらしく目の前で恋人である皐月が、頬を膨らませて俺を軽く睨んでいた。苦笑しながら問う。今日は映画デートで、皐月が最近ハマっているという薄桜鬼というアニメの映画の前編を観てきたのだが。世間でアニヲタと呼ばれている彼女は映画を観ながら終始興奮し、今もこの調子だ
「だから劇場版の土方さんがカッコよすぎるって話だよ。本当に話聞いてた?」
拗ねてしまう前に素直に「ごめん」と謝る。やっぱり聞いてなかったのか言う顔をした後、じっと俺の顔をみつめはじた
『何だよ皐月、俺の顔に何か付いてるか?』
「いやー見れば見るほど明の顔って薫に似てるなーと思って」
いや薫って誰だよ。そう言いかけたが、なんかいたなー、そういうヤツ。もともと薄桜鬼の知識がないだけに、思い出すのに数秒かかった。一度思い出してしまえば芋づる式に記憶が引っ張られおぼろげだった顔がハッキリと思い出されて、・・・・あれ、俺遠まわしに女顔って言われた?記憶の奥底にある暗黒歴ゾーンから
「私初めて明と会った時、鬼バージョンの薫がリアルにいるって思っちゃった」
『鬼バージョンって何?』
「ふっふー、それはねーってもうこんな時間!明バイト遅れちゃうよ」
皐月に言われて腕時計に目をおとせば4時だった、四時半からあるバイトに遅刻してしまう
『皐月ゴメンもう行くね』
「あ、待って薄桜鬼の漫画全巻貸してあげるから。薫の事もわかるよ」
何で今持ってんだ。デートだぞ。
『ありがと』
バックに薄桜鬼を全巻入れ走りだそうとした時
「あ、あとね、明もうすぐ誕生日でしょ。それでね、えっとね、プレゼントの事何だけど・・・」
『皐月悪い、また今度な』
「・・・うん、やっぱり誕生日に言うよ。バイト、頑張ってね」
『おう』
小さくガッツポーズして皐月と別れた。でも、この時に誕生日プレゼントは何か聞いておけばよかった
『スイマセン店長遅れました』
あの後走ったが少し遅れてしまった、だけど店長は
「いいよいいよ、彼女さんと会って来たんだろ?今度から遅れないようにね」
『ありがとうございます、店長』
店長にはなんでもお見通しで、この前遅刻した奴に「そんな事をしていると痛い目にあうよ」と言っていた。そいつは戯言と笑っていたけど、数日後ボロボロの姿でバイトに来た。話を聞いたら二股をかけていたらしく、そしてばれてしまい鉄拳制裁(物理)をされたらしい。この一件で店長は俺たちバイトの間で恐れられるようになった
俺は制服に着替えるとすぐ仕事に取り掛かる。今日は休日と客が多く、ひと段落して時計を見ればデジタル時計は23:11と表示されていた。
「明君、今日は上がっていいよ。何だか嫌な予感がするからね」
『わかりました。お疲れ様です、それじゃあ、お先に失礼します』
俺は仕度を素早く整えると店を出た。
『ただいまー』
暗い廊下に向かって、言葉を投げるが。当然返ってくるはずがない。俺には両親が居ない。幼い頃に交通事故で死んでしまった。双子の妹がいるが、両親が死んでそれぞれ別の親戚のもとへと引き取られて、それ以来逢っていない。高校卒業を機に一人暮らしをはじめて、大学の費用はバイトと俺を引き取ってくれた親戚の人が毎月高額の仕送りを送ってくれているのでなんなとかなっている。
シャワーを浴びたあと時計を見ると0時だった、もうそろそろ寝るかと思い寝室にむかい、寝る前に皐月に借りた薄桜鬼の漫画を読むことにした。
そして読み終わった感想は
『薫はシスコンで心が病んでるのか』
であった。だって実の妹を殺そうとするとか、妹が大切な俺には考えられない。双子ならなおさらだ、双子にとって片割れは自分自身みたいなものなのだから
薫最終的に殺されてるし
全巻読み終わった時二階で音がした。大体音がするはずがない。この家には俺以外誰も居ない、不思議に思い二階に行く。だけどそれが間違いだった
二階に行くと窓が割られていてそこから入ってくる人間が居た
『おい』
不法侵入者に声をかける、刹那
パンッ。
乾いた音がした。瞬間、左胸に鋭い痛みが走り、下を向くと血に染まる俺の左胸が見えた。俺はその場に倒れ伏し、最後に見えたのは俺を撃った犯人だった。