お前には一切関係ない

◆ ジェイド視点



「やっぱり傍から見ると俺があんたのこと抱いているように見えるのか?」

 濡れた前髪の隙間から見えるイエローゴールドにジェイドは肩を竦める。

「さぁ。どうでしょうか。そもそも同性の恋人に対して抱くだの抱かれるだのといった話をするのはどうかと思いますし」
「だよなぁ」

 髪をガシガシタオルで拭うジャックを見ながらジェイドも髪を拭いながら考えてみる。
 傍から見れば筋骨隆々とした彼が抱くというイメージが強いのかもしれない。そして、同時にああいった男のような者から見れば抱きたいというか屈服させたいと思うのかもしれない。同じ男として理解できる。本当はしたくはないけれど理解する。
 にしても、これからヒト属に対してどうしようか。髪を拭いながらジェイドは考える。獣人属や人魚、それに妖精族は結構匂いで牽制になる。マーキングが有効な種族だ。けど、ヒト属は目に見えて牽制しないと効果がない。
 毎日迎えに行くか、何か露骨なことをするか。どうしようかと考えていると「けどさ」とジャックが話す声がして「なんです」とお返す前に話しが始まり。

「でも、あんたは綺麗な顔してるけどすっごくカッコイイのにな」

 「抱く側ってならねぇのかな」と付け足す。ジェイドはするっと頭からタオルを外し落として彼に近づく。

「ジャックくん」
「うおっ、なん――」

 振り返った瞬間の彼の顔を両手で挟み半開きの唇にガブと噛みつく。瞬間、ビク身体が震えて振りほどこうとするジャックにそのままキスをする。半開きの唇に深くキスするのは簡単だった。

「ぁっ、ン、む、ぁっ、はぁっ、ん」

 挿入した舌で彼の生暖かい咥内を弄れば唾液が溢れて来る。くちゅ、くちゅ、音がしてくるのにまた身体が熱くなっていく。閉じていた目を開けばあちらもこちらを見ていた。熱い瞳で。
 その熱の籠った瞳に身体が震える。きっとあの男もこういう瞳を向けられたかったのだろう。そして、そういう瞳を見せるように調教したかったのだろう。
 絡めていた舌を抜いてパッと離れる。濡れた唇がそそるなと思えば目元を赤らめたジャックが「あの、」と言われて自然を笑みがこぼれる。

「もう一度しましょうか」
「……時間は」
「まだ平気ですよ」

 「じゃ」と可愛いことを言うジャックにジェイドの気分は上がっていくようだった。



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