完全無欠の包囲網

◆ ジェイド視点



「楽しみですね」

 ジャックとの何時になるか分からない食事の約束を取り着けた。これは今までにない収穫にジェイドは一人喜びに浸りながら空港に向かっていた。
 ジャックと別れたジェイドはすぐさま薔薇の王国を発った。そして、ある国に着きすぐにジャケットからサングラスを取りかける。そして、眩しい日差しから色素の薄い瞳を守った。薔薇の王国くらいの天気ならいいがこの国の気候は人魚でもあるジェイドには辛い。

「そういえばジャックくんの故郷は輝石の国の北部でしたっけ?」

 寒さには強いと学生の時代言っていた。それに僅かに繋がりを感じて嬉しかったことを思い出す。あの頃の自分は些細なことでも喜んでいたと思うと燃費がいい。でも、今はそれだけでは足りない。

「十年とはそれほどの時間なんですかね」

 寿命が人間よりは長い人魚。種族の差はあるけれど多くの人魚は人生百年どころではなく長い。ウツボの人魚も生き残りさえすれば長い人生だ。それでも十年という歳月を瞬きの間とは思えなかった。

「長かったですが――待ったかいがありますね」

 長い歳月が生んだ人脈を駆使してジェイドは大きな罠を作り出す。その罠にじわじわと近づく狼をジェイドは口を開いて待つことにした。



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