大好きがいっぱい
大好きがいっぱい・1
パチとわたしは目が覚める。パパやお父様に起こしてもらう前にこうパチと目が覚める。何でかなぁって思ってパパたちに聞いたけれどわからないって首を揃って横に振ったの。パパたちは大人なのに知らないのが不思議で驚いたのを今でも覚えているわ。でも、大人でも知らないことがあるって知ることができたからよかった。
そう言うとお父様は肩を揺らして笑って「パパに似ていますね」って言ったの。
そうかな? そうなのかな? ってパパを見れば肩をくいってあげて首を傾げた。どうやらわからないみたい。でも、お父様が「そっくりです」って言うからきっとそうなのよ。嬉しい。パパとお揃い嬉しい。だから、次はお父様とそっくりなところ欲しいって言えば今度はパパが肩を揺らして笑ったの。それにお父様も笑って。なんだかわたしも楽しくなって笑ったのがちょっと前の話。
で、わたしは寝起きがいいのだけどまだ髪を一人で結べないの。だから、お父様が買ってくれたヘアブラシとリパパが選んでくれたリボンを持ってお父様たちの寝室に向かう。
結構距離があるのよね。ふぅと息をついて閉じたドアをトントンと叩いてパパを呼ぶ。
「パパ~、パパ~、おリボン結ってぇ~~」
部屋に入る前にちゃんとノックすること。ちゃんとパパたちを呼ぶこと。しっかりと守ったのに今日はパパ出てこない。あ、そうだった。わたし、とてもうっかりしていたわ。
「おと~さまぁ~、おと~さまぁ~、パパ呼んでぇ~」
いつも部屋から一番に出て来るのはお父様だった。その後にちょっと疲れた顔でパパが出て来るんだった。忘れていたわ。最近パパが起きていることが多かったからうっかり、うっかりだわ。
それから何度も、何度もお父様を呼んだんだけれどお返事がない。
「あれぇ?」
わたしは首を傾げてトントンともういいかいノックするけれどやっぱり出てこない。あれあれ、と首を傾げていると。
「おや。どうしたんですか?」
「あ、お父様」
階段を上がって来たお父様が不思議そうに見て来た。わたしはリボンを揺らしながら「パパに結ってほしくて待ってたのよ」と答える。すると、お父様が困ったように眉を下げた。
「パパは朝早くお出かけしたでしょう」
「あれ? そうだっけ」
「そうですよ。僕とお見送りしたでしょ?」
「あれぇ?」
そうだったっけと首を傾げても全然覚えていない。トントンと階段を上がって来たお父様がわたしの前にしゃがんで大きな手を差し出して来た。
「僕が今日結いますよ」
「……パパの気分だったのにぃ」
「ふふ。それはすいません」
「でも、お父様が結う髪型好きだからいーよ」
「はい、お願いします」って言ってヘアブラシとリボンを渡す。それを丁寧に掴んだお父様が立ち上がる。お父様はとても背が高い。それより高いのがパパ。どっちもあまりにも高すぎて首がいたくなっちゃう。
「おとーさま。抱っこ」
「はいはい」
「お姫様」と囁くお父様は軽々とわたしを抱っこしてくれる。キュッと抱き着いて顔を寄せたときにハッと思い出す。
「あ、思い出したわ。朝、すごく早いお時間にお見送りしたわ」
「フフ。思い出しましたか。そうですよ。一緒にいってらっしゃい言いましたよ」
「うん。でも、わたし言えてた?」
コテンと首を傾げる。お父様は目を細めてギザギザの歯を見せて「はい」と答えてくれた。
「ほんとう?」
「嘘言いませんよ」
「んー。でも、たまにパパには言ってるでしょ」
「おや。そんなまさか」
一瞬目を丸くしたお父様は〝にっこり〟と笑った。こういうときのお父様は大抵嘘をいっているときだ。ほんとパパが嘘は言うことじゃないって言うのにお父様はどーして違うのかしら。
「パパに言いつけちゃおうかしらぁ」
「やめてください。お父様、怒られちゃいます」
「パパとても怖いじゃないですか」スンとした顔で言うからちょっと可哀想になっちゃった。だから、仕方ないから黙って上げることにした。
「しかたないなぁ」
シーしてあげるって言えばお父様はほっとした顔をした。こんなことになるなら嘘つかなければいいのにね。
パチとわたしは目が覚める。パパやお父様に起こしてもらう前にこうパチと目が覚める。何でかなぁって思ってパパたちに聞いたけれどわからないって首を揃って横に振ったの。パパたちは大人なのに知らないのが不思議で驚いたのを今でも覚えているわ。でも、大人でも知らないことがあるって知ることができたからよかった。
そう言うとお父様は肩を揺らして笑って「パパに似ていますね」って言ったの。
そうかな? そうなのかな? ってパパを見れば肩をくいってあげて首を傾げた。どうやらわからないみたい。でも、お父様が「そっくりです」って言うからきっとそうなのよ。嬉しい。パパとお揃い嬉しい。だから、次はお父様とそっくりなところ欲しいって言えば今度はパパが肩を揺らして笑ったの。それにお父様も笑って。なんだかわたしも楽しくなって笑ったのがちょっと前の話。
で、わたしは寝起きがいいのだけどまだ髪を一人で結べないの。だから、お父様が買ってくれたヘアブラシとリパパが選んでくれたリボンを持ってお父様たちの寝室に向かう。
結構距離があるのよね。ふぅと息をついて閉じたドアをトントンと叩いてパパを呼ぶ。
「パパ~、パパ~、おリボン結ってぇ~~」
部屋に入る前にちゃんとノックすること。ちゃんとパパたちを呼ぶこと。しっかりと守ったのに今日はパパ出てこない。あ、そうだった。わたし、とてもうっかりしていたわ。
「おと~さまぁ~、おと~さまぁ~、パパ呼んでぇ~」
いつも部屋から一番に出て来るのはお父様だった。その後にちょっと疲れた顔でパパが出て来るんだった。忘れていたわ。最近パパが起きていることが多かったからうっかり、うっかりだわ。
それから何度も、何度もお父様を呼んだんだけれどお返事がない。
「あれぇ?」
わたしは首を傾げてトントンともういいかいノックするけれどやっぱり出てこない。あれあれ、と首を傾げていると。
「おや。どうしたんですか?」
「あ、お父様」
階段を上がって来たお父様が不思議そうに見て来た。わたしはリボンを揺らしながら「パパに結ってほしくて待ってたのよ」と答える。すると、お父様が困ったように眉を下げた。
「パパは朝早くお出かけしたでしょう」
「あれ? そうだっけ」
「そうですよ。僕とお見送りしたでしょ?」
「あれぇ?」
そうだったっけと首を傾げても全然覚えていない。トントンと階段を上がって来たお父様がわたしの前にしゃがんで大きな手を差し出して来た。
「僕が今日結いますよ」
「……パパの気分だったのにぃ」
「ふふ。それはすいません」
「でも、お父様が結う髪型好きだからいーよ」
「はい、お願いします」って言ってヘアブラシとリボンを渡す。それを丁寧に掴んだお父様が立ち上がる。お父様はとても背が高い。それより高いのがパパ。どっちもあまりにも高すぎて首がいたくなっちゃう。
「おとーさま。抱っこ」
「はいはい」
「お姫様」と囁くお父様は軽々とわたしを抱っこしてくれる。キュッと抱き着いて顔を寄せたときにハッと思い出す。
「あ、思い出したわ。朝、すごく早いお時間にお見送りしたわ」
「フフ。思い出しましたか。そうですよ。一緒にいってらっしゃい言いましたよ」
「うん。でも、わたし言えてた?」
コテンと首を傾げる。お父様は目を細めてギザギザの歯を見せて「はい」と答えてくれた。
「ほんとう?」
「嘘言いませんよ」
「んー。でも、たまにパパには言ってるでしょ」
「おや。そんなまさか」
一瞬目を丸くしたお父様は〝にっこり〟と笑った。こういうときのお父様は大抵嘘をいっているときだ。ほんとパパが嘘は言うことじゃないって言うのにお父様はどーして違うのかしら。
「パパに言いつけちゃおうかしらぁ」
「やめてください。お父様、怒られちゃいます」
「パパとても怖いじゃないですか」スンとした顔で言うからちょっと可哀想になっちゃった。だから、仕方ないから黙って上げることにした。
「しかたないなぁ」
シーしてあげるって言えばお父様はほっとした顔をした。こんなことになるなら嘘つかなければいいのにね。