秘密のメッセージ
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夢主視点
大学に入学してから一人暮らしを始めた。慣れないことがたくさんあるけれど、今は何とかなっている。それでも課題に取り組んでいると部屋が散らかってイヤになる。
久々に部屋を見るとなんとまぁ散らかっているのかしら。
「ハァ。クリーニングに出さないと」
ソファーにほっぽていたワンピースやブラウスをかき集める。クリーニングに出すための袋に詰める。それから洗濯できるものは別の籠に入れる。ローテブルに溜まったダイレクトメールやチラシを整理して、掃除機をかけてと、カレンダーが視界の端を掠めた。
「あ。そういえば今日は」
事前にアズールとジェイドから荷物が届くと伝えられていた日。カレンダーの日付を見れば今日は2月14日。各国で恋人、夫婦、家族、友人同士で〝愛〟を告げる日だ。主に恋人や夫婦のイベントになっている。ちなみに、フロイドはわたしの家の住所が分からないって言って去年はヴァネッサのところにレティシアの分も合わせて送っていた。
その日に、私たち姉妹はアズール、ジェイド、フロイドに合うお菓子を贈っている。それにそれぞれの関係性に合わせた贈り物は中々に面白いわ。けれど、こういう日はそうはっきりしないとあらぬ疑いをかけられてしまうから。しっかりと分かりやすく基準で選ばなければいけない。
「贈り物に意味合いがあるのも中々大変よね」
あれを選ぶといけない、これを恋人以外に贈ってはいけない、とか。アズールたちたちも去年は陸文化の調べ過ぎで色々大変だったみたいだけれど、今年はもう平気でしょう。
さて今年は一体どんなものが届くのかな。なんて呑気に考えながらアズールたちからの贈り物が届くまで掃除を続けた。
掃除が終わる頃に荷物が届いた。最初に届いたのはジェイドからだった。有名パティスリーのチョコレート。小食のわたしでも食べきれるものだ。
「ふふ。明日のお茶のお供にしましょ」
とりあえず暖房で溶けないところに置いておきましょう。
楽しみがひとつ増えたところで続いてまたインターホーンが鳴った。
「フロイド……じゃないわよね。アズールかしら?」
一体、どんな〝お菓子〟が届くのか。わたしは鼻歌を歌いながら玄関に向かった。
「あらあら、まぁ」
届けられたのはなんと〝花束〟だった。花束を貰ったことは数えきれないほどある。それこそ腕で抱えきれないほど大きな花束だってあるわ。
花束が入っていた箱に貼られた宛名にはアズールの名前がある。どう見ても彼の筆跡だから間違いない。
「ミモザに、カスミソウ、白いバラに」
カスミソウとの組み合わせはよく見るけれど、ここに白薔薇。カラーとの組み合わせも見たことがあるけれど、白いバラも合うのね。
「でも、どうして花束?」
わたしの年齢を考慮してお花にしてくれたのかしら。レティシアとヴァネッサにも聞いてみようかしら。
でも、その前に花瓶に飾らないと。ああ、でも、でも――。
「もう少しいいかしら」
そっと花束を抱く。するとミモザが頬に触れてこそばゆい。ある国では日ごろの感謝を込めて大切な人に〝ミモザ〟を贈ると聞いたことがある。
アズールの贈り物のセンスは変わらないわね。でも、ちょっと危ないわ。黄色い花の割にはミモザの花言葉には恋に前向きなものが多い。妹たちは平気だと思うけれど他の女性に贈ったら大変だわ。
「今度会ったときに教えてあげないと、ね」
でも、ほんの少しだけ、わたし以外に贈っていないといいなと思った。