フロイド
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キラキラしている世界
泥のような中で眠っていたら腕の中に抱いたモノが動いた。
動くな、と抑え込めるように胸に抱き寄せると、掠れた声で「くるしっ」と鳴いた。その鳴き声でフロイドは重い瞼を片方だけ動かす。
「なにぃ」
寝起きの自分の声も掠れていた。気づくと途端に声を発する喉が渇いていることに気づいてしまった。水が欲しい。でも、動きたくない。
「喉、乾いた?」
「ン」
小さく頷くとまた腕の中に納めたモノが動き出す。何で動くのと深く抱き込む。すると、腕の中にいたモノ――恋人の少女が「水、取って来るからっ、もう」と掠れた声を荒げながら言う。そのついでに非力な力でぐいぐい胸を押してきた。
――弱っちい。
それもそうだ。彼女の身長は平均よりも高いけれど腕はとても細い。決して肉づきが悪いわけではない。実際抱きしめている今もその身体は柔らかいし触り心地がいい。それでも男のフロイドよりもか弱い。力を入れたらポッキリ逝ってしまうに違いない。
優しく拘束するのが難しい。つい絞めてしまいそうになる。そうならないように今も頑張っているというのに彼女はわかっていない。
「いらねぇ、」
「でも、喉乾いているんでしょ」
持って来てあげるから、とまるで母親のようなことを言う。でも、彼女はけっして母親ではない。フロイドの恋人つまり番いなのだ。
「ねぇ。あたしも喉乾いたの。だから離して」
「……なら、あげる」
「は?」
細い身体に回した腕の拘束を緩めて逃げる前に組み倒す。見下ろす彼女の顔は訝しかむ顔だった。けど、その顔の中に薄らと疲れが滲んでいる。遅くまで起きていたのだから大人しく寝ていればいいのにと感想を抱く。
「フロイド。なに――」
喉が渇くと言っていた小さな唇にパクリと噛みつく。
息を飲む彼女を無視して薄らと開いていた唇に遠慮なく舌を割り入れる。ぬるりと入り込んだ口の中は確かにいつもの潤いがない。そういう自分の舌もあまり濡れていないなと潤いを求めるように小さな舌を絡めとる。
ん、と濡れた声がした。口の中はまだまだ濡れていないのに声は艶がでるのか。面白いな、と思いながらフロイドは狭い口の中を蹂躙し続ける。
暫くすると苦しくなったのか顔を逸らそうと動き出す小さな顔を手のひらで抑え込む。フロイドの大きな手で納まる小ささにいつも感動する。そして、指に絡む髪の毛がサラサラツルツルしていて触り心地がいい。この髪に顔を埋めるのも好きなんだよな、と思い出しているとフワリに彼女の香りがして腰のあたりがゾワッとした。
一度抱いた疚しい気持ちは簡単に消えない。ならば、彼女も同じになってもらうしかない。口の中の彼女の弱いところをべろりと舐めて突いて僅かに逸らしてとしていけば――。
「ン、ふぅ、はぁっん、んんぅ」
昨夜聞いた可愛い声がこぼれ出す。腰のあたりのゾワゾワが強くなっていく。番い可愛くてエロい声に人魚の、雄の、本能が刺激される。でも、この先を進める場合は番いの許可が必要だ。フロイドはパッと唇を離して彼女を見下ろす。
こほっ、噎せる彼女の真っ白な頬は深紅の薔薇のように赤い。唇の端からこぼれる混じり合った二人分の唾液。これでもう喉も大丈夫だ。焦点が僅かにずれる濡れた瞳を覗き込む。
「ね。続きいい?」
していいよね。甘える声で言えば彼女はきっと応えてくれる。このまま昨夜と同じギリギリまで自分の望みを叶えてくれるはずだ。だって、今日の学園に帰るまでフロイドの誕生日という前提で願いを聞いてくれるのだから。
じぃっと見つめ続けると諦めたように彼女の瞼が降りて上がる。
「ん。いいわよ、今日はあんたの好きにして」
「っ! ありがとー!」
丸い額に感謝のキスを落とす。それにくすぐったいと笑う彼女がすごく可愛く見えた。
再びゾワと今度は脊椎を通って首までゾワゾワして来た。これは今日一日ずっと彼女が用意した高級ホテルのスイートルームで籠ることになるかもしれない。本当は学園に戻るまで色々行くところがあったのに。
――まぁ、いっか。
今は美味しい食事をするより、好きなブランドのショップに行くよりも彼女とベッドでイチャイチャしたい。普段ずっと可愛い番いと離れているのだ。本当は誕生日にイチャイチャしたかったけれど生憎今年の誕生日は平日だった。なら少し早いけれど誕生日デートをしようとなったのだ。ちなみに、外泊届もしっかり出している。理由は適当だったけれど。
「ぁ、ん、ちょっとくすぐったい」
ちゅ、ちゅ、と可愛くて目尻、鼻、頬とフロイドは自分でも無意識にキスをしていた。こそばゆそうに身をよじる彼女の肩を掴んでベッドに押しつける。それに抗議の声をあげようとして開いた口はすぐに閉じた。代わりに細い腕が上がってフロイドの首に回った。
――今日は本当に怒んねぇんだ。
ちょっとつまらないけれどこうして可愛く強請ってくるのも新鮮で楽しい。なら、代わりに沢山可愛がってあげなければ。それにせっかくなら自分だけじゃなくて、彼女も気持ちよく、楽しめた方がいい。絶対にそれがいい。
フロイドはほら、と言うように腕を引かれて誘われるままに身を屈めた。
* * *
彼女との誕生日デートから数日後にフロイドは誕生日を迎えた。
今年も白いジャケットに、サッシュを身に着けて祝われる。これで授業を受けるなんて地獄だという生徒もいる。フロイドとしては面倒くさいくらいの認識だ。
モストロ・ラウンジではなくオクタヴィネル寮の談話室での誕生日パーティー。フロイドは双子の兄弟ジェイドと、他に数人いるため盛大だ。
これはイマイチ、と口に入れた食事をノンアルコールのシャンパンで流し込む。他に何か珍しいものはねぇかな、と物色していると。
「フロイドさん、今いいですか?」
「ん?」
振り返ると何か大きな箱を持っている寮生がいた。寮生は「お届け物です」と寮生らしい笑みを浮かべて言う。
お届けものという寮生の腕いっぱいの大きな箱だった。でも、別に厚みはなくまるでスーツが入っているようなそんな大きさと厚みだ。
「あ、わかった。ありがとー」
はい、と頷く寮生からフロイドはグラスをテーブルに置いて箱を受け取る。そして、部屋に行くことを告げて自室へと向かう。
部屋に入ってすぐにベッドに箱を置く。そして、青と水色の柔らかなシフォンリボンを解く。シュルリと解いてすぐに箱を開けてフロイドは一人笑い声をあげる。
「やっぱり、そうだぁ!」
箱の中には上等なスーツ。フロイドが父親から誕生日プレゼントに送られた靴に似合うスーツだった。そして、このスーツは彼女が別れぎに言っていたもうひとつのプレゼントだ。
スーツの上に置かれた小さくてシンプルなバースディカードを取る。小さくてちょっととんがった字は間違いなく番いである彼女のもの。
〝あらためて誕生日おめでとう。よかったら着てね〟
ふはっ、と地味に自信がないところが彼女らしい。ふふ、と笑ってフロイドを机に置いてマジカルペンを掴む。そして、パッと実践魔法を使って着替える。
「お、おお、うんうん、うん、いー感じ!」
動きやすいし身長の伸びたフロイドの腕と足の長さにピッタリだった。ついでに靴も父親にプレゼントされたものに変えて、スマホを取り出す。
「あ。これじゃ全身映んねぇじゃん! ジェイドーー!」
慌てて双子の兄弟を呼びに部屋を飛び出す。そして、沢山の写真を彼女に送ったのだった。
高級ホテルのスイートルームの謎と、高価なスーツ謎の真相。
「それにしても彼女随分と儲けているんですね」
「あー。姉ちゃんの歌詞とか作曲あいつが作ってるからねぇ」
2021.1.28 一部文章修正
泥のような中で眠っていたら腕の中に抱いたモノが動いた。
動くな、と抑え込めるように胸に抱き寄せると、掠れた声で「くるしっ」と鳴いた。その鳴き声でフロイドは重い瞼を片方だけ動かす。
「なにぃ」
寝起きの自分の声も掠れていた。気づくと途端に声を発する喉が渇いていることに気づいてしまった。水が欲しい。でも、動きたくない。
「喉、乾いた?」
「ン」
小さく頷くとまた腕の中に納めたモノが動き出す。何で動くのと深く抱き込む。すると、腕の中にいたモノ――恋人の少女が「水、取って来るからっ、もう」と掠れた声を荒げながら言う。そのついでに非力な力でぐいぐい胸を押してきた。
――弱っちい。
それもそうだ。彼女の身長は平均よりも高いけれど腕はとても細い。決して肉づきが悪いわけではない。実際抱きしめている今もその身体は柔らかいし触り心地がいい。それでも男のフロイドよりもか弱い。力を入れたらポッキリ逝ってしまうに違いない。
優しく拘束するのが難しい。つい絞めてしまいそうになる。そうならないように今も頑張っているというのに彼女はわかっていない。
「いらねぇ、」
「でも、喉乾いているんでしょ」
持って来てあげるから、とまるで母親のようなことを言う。でも、彼女はけっして母親ではない。フロイドの恋人つまり番いなのだ。
「ねぇ。あたしも喉乾いたの。だから離して」
「……なら、あげる」
「は?」
細い身体に回した腕の拘束を緩めて逃げる前に組み倒す。見下ろす彼女の顔は訝しかむ顔だった。けど、その顔の中に薄らと疲れが滲んでいる。遅くまで起きていたのだから大人しく寝ていればいいのにと感想を抱く。
「フロイド。なに――」
喉が渇くと言っていた小さな唇にパクリと噛みつく。
息を飲む彼女を無視して薄らと開いていた唇に遠慮なく舌を割り入れる。ぬるりと入り込んだ口の中は確かにいつもの潤いがない。そういう自分の舌もあまり濡れていないなと潤いを求めるように小さな舌を絡めとる。
ん、と濡れた声がした。口の中はまだまだ濡れていないのに声は艶がでるのか。面白いな、と思いながらフロイドは狭い口の中を蹂躙し続ける。
暫くすると苦しくなったのか顔を逸らそうと動き出す小さな顔を手のひらで抑え込む。フロイドの大きな手で納まる小ささにいつも感動する。そして、指に絡む髪の毛がサラサラツルツルしていて触り心地がいい。この髪に顔を埋めるのも好きなんだよな、と思い出しているとフワリに彼女の香りがして腰のあたりがゾワッとした。
一度抱いた疚しい気持ちは簡単に消えない。ならば、彼女も同じになってもらうしかない。口の中の彼女の弱いところをべろりと舐めて突いて僅かに逸らしてとしていけば――。
「ン、ふぅ、はぁっん、んんぅ」
昨夜聞いた可愛い声がこぼれ出す。腰のあたりのゾワゾワが強くなっていく。番い可愛くてエロい声に人魚の、雄の、本能が刺激される。でも、この先を進める場合は番いの許可が必要だ。フロイドはパッと唇を離して彼女を見下ろす。
こほっ、噎せる彼女の真っ白な頬は深紅の薔薇のように赤い。唇の端からこぼれる混じり合った二人分の唾液。これでもう喉も大丈夫だ。焦点が僅かにずれる濡れた瞳を覗き込む。
「ね。続きいい?」
していいよね。甘える声で言えば彼女はきっと応えてくれる。このまま昨夜と同じギリギリまで自分の望みを叶えてくれるはずだ。だって、今日の学園に帰るまでフロイドの誕生日という前提で願いを聞いてくれるのだから。
じぃっと見つめ続けると諦めたように彼女の瞼が降りて上がる。
「ん。いいわよ、今日はあんたの好きにして」
「っ! ありがとー!」
丸い額に感謝のキスを落とす。それにくすぐったいと笑う彼女がすごく可愛く見えた。
再びゾワと今度は脊椎を通って首までゾワゾワして来た。これは今日一日ずっと彼女が用意した高級ホテルのスイートルームで籠ることになるかもしれない。本当は学園に戻るまで色々行くところがあったのに。
――まぁ、いっか。
今は美味しい食事をするより、好きなブランドのショップに行くよりも彼女とベッドでイチャイチャしたい。普段ずっと可愛い番いと離れているのだ。本当は誕生日にイチャイチャしたかったけれど生憎今年の誕生日は平日だった。なら少し早いけれど誕生日デートをしようとなったのだ。ちなみに、外泊届もしっかり出している。理由は適当だったけれど。
「ぁ、ん、ちょっとくすぐったい」
ちゅ、ちゅ、と可愛くて目尻、鼻、頬とフロイドは自分でも無意識にキスをしていた。こそばゆそうに身をよじる彼女の肩を掴んでベッドに押しつける。それに抗議の声をあげようとして開いた口はすぐに閉じた。代わりに細い腕が上がってフロイドの首に回った。
――今日は本当に怒んねぇんだ。
ちょっとつまらないけれどこうして可愛く強請ってくるのも新鮮で楽しい。なら、代わりに沢山可愛がってあげなければ。それにせっかくなら自分だけじゃなくて、彼女も気持ちよく、楽しめた方がいい。絶対にそれがいい。
フロイドはほら、と言うように腕を引かれて誘われるままに身を屈めた。
* * *
彼女との誕生日デートから数日後にフロイドは誕生日を迎えた。
今年も白いジャケットに、サッシュを身に着けて祝われる。これで授業を受けるなんて地獄だという生徒もいる。フロイドとしては面倒くさいくらいの認識だ。
モストロ・ラウンジではなくオクタヴィネル寮の談話室での誕生日パーティー。フロイドは双子の兄弟ジェイドと、他に数人いるため盛大だ。
これはイマイチ、と口に入れた食事をノンアルコールのシャンパンで流し込む。他に何か珍しいものはねぇかな、と物色していると。
「フロイドさん、今いいですか?」
「ん?」
振り返ると何か大きな箱を持っている寮生がいた。寮生は「お届け物です」と寮生らしい笑みを浮かべて言う。
お届けものという寮生の腕いっぱいの大きな箱だった。でも、別に厚みはなくまるでスーツが入っているようなそんな大きさと厚みだ。
「あ、わかった。ありがとー」
はい、と頷く寮生からフロイドはグラスをテーブルに置いて箱を受け取る。そして、部屋に行くことを告げて自室へと向かう。
部屋に入ってすぐにベッドに箱を置く。そして、青と水色の柔らかなシフォンリボンを解く。シュルリと解いてすぐに箱を開けてフロイドは一人笑い声をあげる。
「やっぱり、そうだぁ!」
箱の中には上等なスーツ。フロイドが父親から誕生日プレゼントに送られた靴に似合うスーツだった。そして、このスーツは彼女が別れぎに言っていたもうひとつのプレゼントだ。
スーツの上に置かれた小さくてシンプルなバースディカードを取る。小さくてちょっととんがった字は間違いなく番いである彼女のもの。
〝あらためて誕生日おめでとう。よかったら着てね〟
ふはっ、と地味に自信がないところが彼女らしい。ふふ、と笑ってフロイドを机に置いてマジカルペンを掴む。そして、パッと実践魔法を使って着替える。
「お、おお、うんうん、うん、いー感じ!」
動きやすいし身長の伸びたフロイドの腕と足の長さにピッタリだった。ついでに靴も父親にプレゼントされたものに変えて、スマホを取り出す。
「あ。これじゃ全身映んねぇじゃん! ジェイドーー!」
慌てて双子の兄弟を呼びに部屋を飛び出す。そして、沢山の写真を彼女に送ったのだった。
高級ホテルのスイートルームの謎と、高価なスーツ謎の真相。
「それにしても彼女随分と儲けているんですね」
「あー。姉ちゃんの歌詞とか作曲あいつが作ってるからねぇ」
2021.1.28 一部文章修正
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