自然と無自覚にできること
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◆ 夢主視点
ベッドの縁に腰かけて通話しているフロイドの姿を眺める。
広い背中にある真新しい赤い線は自分が付けたものだというのに痛々しく見える。いや、実際に痛いのだと思う。しつこく振動していたスマホを取ろうとしたときに「イテッ」って言っていたし痛いこと間違いなし。
あたしが付けたというのに白々しいことが頭に浮かぶ。でも、そう白々しく考えられるのも付けた当人の特権じゃないか。そうに違いない。
何だかどんどん言い訳みたいになってきた。こんな色々考えているのに頭が動いていないのかもしれない。だって、まだ起き抜けだし、なんかいいところでフロイドのスマホが振動するし。それにキレたフロイドはスマホを手に取ってから舌打ちしてあたしに背を向けてしまった。なんか中途半端になっていたけれど、目は冴え始めている。
起きよ。
乱れたシーツから起き上がろうとすると腰が俄かに痛い。いや、腰だけじゃなくて下半身が怠い。仕事の合間に通っているジムのお陰で運動不足でもない。ストレッチもしているおかげで身体も柔らかいけれど、やっぱり体力のあるフロイドと過ごすとどうして怠くなる。
寝不足もあるのだろうけれど。ふと、まだスマホを耳に当てているフロイドを見る。何だかやり取りが長いからアズールと通話でもしているのだろうか。それでも声が面倒くさそうなことは変わりない。
目が冴えてきているというのに何だか落ち着かない。たぶん、さっきのやり取りを中断されてしまったからだと思う。熱を分け合った後の甘い時間があたしは好き。
でも、その甘い時間はフロイドからもたらされるもの。いつもフロイドから行動を起こしてくれる。あたしはそれを享受するだけで上手く返せているかも分からない。
付き合ってからフロイドばかりに恋人らしい行動させてしまっている。あたしからしてみても照れて上手くできない。情けない話。
だから、これはそんなあたしへの〝罰〟なのかもしれない。恋人に甘えすぎですよという。自分からちゃんと行動を起こしましょうっていう。
今日は頑張ってあたしから行動を起こしてみよう。
自分からと決意してフロイドの方へとにじり寄る。近づくと声からも苛立ちが伝わる。これは終わった後、機嫌が悪くなるコースだ。
もしかしてあたしの行動が悪い方向に動く可能性があるかも。なんて、考えていると通話をしていたフロイドの身体が動く。耳からスマホが離れてめんどくさそうに広いベッドに放り投げる。
「手もとになくていいの?」
「べつに」
振り返りながら答えたフロイドはムッとしていてどう見ても不機嫌だった。学園を卒業してからより大人びた顔になったけれど、こういう顔をすると少年時代と変わらない。
「休みの日にまでおつかれさま」
「マジねぇわ」
悪態をつきながら横になった。それを見てあたしもフロイドの隣で横になる。
左右色の違う瞳。ゴールドの瞳も、オリーブの瞳もどちらも好き。眠そうに見える垂れた目尻も好き。薄い唇も、まぁフロイドのパーツはどこも好き。
「なに。そんなにオレの顔見ていておもしれぇの?」
「面白いというか……好きだなぁと心底思っていただけ」
目が丸くなる。それから三日月みたいにしなる。そういう変化も好き。ぜんぶ好き。
うっとりと見ているとフロイドの大きな手が頬に触れる。そのまま覆い包まれる感触は嫌いじゃないけれど、ちょっと怖い。何だかそのままぐしゃってされそうで。
大きな手が撫でるように動くと顎が掴まれる。
そのまま近づいて来る双眸を見つめながら唇を重ねる。それでも間近にある瞳を見つめ続けるほどの心臓は持っていないから瞼で隠す。
散々触れた唇が優しく触れて離れるのと同時に瞼を上げる。いつの間にか僅かに身体が傾いてフロイドを見上げる体勢になっている。
中断された甘い時間が再び始まった。ふいに今日の使命を思い出す。だが、この体勢からどうすればいいのだろう。
「……ふぉいお」
どうしてあげればいいのか考えていると頬が引っ張られた。強くギュッとではないけれど、びにょんと引っ張られている。
見上げるフロイドは楽しそうに笑っているようで少し目が笑っていない。これは別方面で機嫌を損ねた証拠だ。
目の前に自分がいるのに上の空だったのが気に食わなかったのだろう。あたしはフロイドのことだけを考えていたのだけれど。
フロイドの手を払って頬を擦る。
「あんたのこと考えていただけ」
「オレのこと?」
怪訝そうに眉を顰めるフロイドに正直に話すことにした。恥を忍んでという感じで。
「へぇ。で、全然浮かばないって?」
「そう。フロイドみたいに上手くいかない」
どうしたら恋人らしい行動をフロイドにしてあげられるのだろうか。分からない。どうしたらいいのか悩んでいると身体がひっぱり起こされる。
細い身体はフロイドの力であっさりと起きてそのまま胸に飛び込むことになる。
お互い下着しか身に着けていないから素肌の密着率が高い。そして鼻を擽る香りが違う。それがあたしとフロイドの交じり合った証拠であり、一晩過ごした証拠でこの香りが好き。
「できってっと思うけどなぁ」
「ぇ?」
どういう意味、と顔を上げるとフロイドの目が目の前にあった。鼻がこすれる距離。身体があの長い腕に雁字搦めにされ身動きができない。
「お前が思っているよりも恋人らしい行動できってから」
「嘘」と言おうとした唇が塞がれてしまった。それからフロイドに反論する隙は与えられなかった。甘い時間は濃厚になりベッドから降りたのは時間がだいぶ経ったあとだった。
ベッドの縁に腰かけて通話しているフロイドの姿を眺める。
広い背中にある真新しい赤い線は自分が付けたものだというのに痛々しく見える。いや、実際に痛いのだと思う。しつこく振動していたスマホを取ろうとしたときに「イテッ」って言っていたし痛いこと間違いなし。
あたしが付けたというのに白々しいことが頭に浮かぶ。でも、そう白々しく考えられるのも付けた当人の特権じゃないか。そうに違いない。
何だかどんどん言い訳みたいになってきた。こんな色々考えているのに頭が動いていないのかもしれない。だって、まだ起き抜けだし、なんかいいところでフロイドのスマホが振動するし。それにキレたフロイドはスマホを手に取ってから舌打ちしてあたしに背を向けてしまった。なんか中途半端になっていたけれど、目は冴え始めている。
起きよ。
乱れたシーツから起き上がろうとすると腰が俄かに痛い。いや、腰だけじゃなくて下半身が怠い。仕事の合間に通っているジムのお陰で運動不足でもない。ストレッチもしているおかげで身体も柔らかいけれど、やっぱり体力のあるフロイドと過ごすとどうして怠くなる。
寝不足もあるのだろうけれど。ふと、まだスマホを耳に当てているフロイドを見る。何だかやり取りが長いからアズールと通話でもしているのだろうか。それでも声が面倒くさそうなことは変わりない。
目が冴えてきているというのに何だか落ち着かない。たぶん、さっきのやり取りを中断されてしまったからだと思う。熱を分け合った後の甘い時間があたしは好き。
でも、その甘い時間はフロイドからもたらされるもの。いつもフロイドから行動を起こしてくれる。あたしはそれを享受するだけで上手く返せているかも分からない。
付き合ってからフロイドばかりに恋人らしい行動させてしまっている。あたしからしてみても照れて上手くできない。情けない話。
だから、これはそんなあたしへの〝罰〟なのかもしれない。恋人に甘えすぎですよという。自分からちゃんと行動を起こしましょうっていう。
今日は頑張ってあたしから行動を起こしてみよう。
自分からと決意してフロイドの方へとにじり寄る。近づくと声からも苛立ちが伝わる。これは終わった後、機嫌が悪くなるコースだ。
もしかしてあたしの行動が悪い方向に動く可能性があるかも。なんて、考えていると通話をしていたフロイドの身体が動く。耳からスマホが離れてめんどくさそうに広いベッドに放り投げる。
「手もとになくていいの?」
「べつに」
振り返りながら答えたフロイドはムッとしていてどう見ても不機嫌だった。学園を卒業してからより大人びた顔になったけれど、こういう顔をすると少年時代と変わらない。
「休みの日にまでおつかれさま」
「マジねぇわ」
悪態をつきながら横になった。それを見てあたしもフロイドの隣で横になる。
左右色の違う瞳。ゴールドの瞳も、オリーブの瞳もどちらも好き。眠そうに見える垂れた目尻も好き。薄い唇も、まぁフロイドのパーツはどこも好き。
「なに。そんなにオレの顔見ていておもしれぇの?」
「面白いというか……好きだなぁと心底思っていただけ」
目が丸くなる。それから三日月みたいにしなる。そういう変化も好き。ぜんぶ好き。
うっとりと見ているとフロイドの大きな手が頬に触れる。そのまま覆い包まれる感触は嫌いじゃないけれど、ちょっと怖い。何だかそのままぐしゃってされそうで。
大きな手が撫でるように動くと顎が掴まれる。
そのまま近づいて来る双眸を見つめながら唇を重ねる。それでも間近にある瞳を見つめ続けるほどの心臓は持っていないから瞼で隠す。
散々触れた唇が優しく触れて離れるのと同時に瞼を上げる。いつの間にか僅かに身体が傾いてフロイドを見上げる体勢になっている。
中断された甘い時間が再び始まった。ふいに今日の使命を思い出す。だが、この体勢からどうすればいいのだろう。
「……ふぉいお」
どうしてあげればいいのか考えていると頬が引っ張られた。強くギュッとではないけれど、びにょんと引っ張られている。
見上げるフロイドは楽しそうに笑っているようで少し目が笑っていない。これは別方面で機嫌を損ねた証拠だ。
目の前に自分がいるのに上の空だったのが気に食わなかったのだろう。あたしはフロイドのことだけを考えていたのだけれど。
フロイドの手を払って頬を擦る。
「あんたのこと考えていただけ」
「オレのこと?」
怪訝そうに眉を顰めるフロイドに正直に話すことにした。恥を忍んでという感じで。
「へぇ。で、全然浮かばないって?」
「そう。フロイドみたいに上手くいかない」
どうしたら恋人らしい行動をフロイドにしてあげられるのだろうか。分からない。どうしたらいいのか悩んでいると身体がひっぱり起こされる。
細い身体はフロイドの力であっさりと起きてそのまま胸に飛び込むことになる。
お互い下着しか身に着けていないから素肌の密着率が高い。そして鼻を擽る香りが違う。それがあたしとフロイドの交じり合った証拠であり、一晩過ごした証拠でこの香りが好き。
「できってっと思うけどなぁ」
「ぇ?」
どういう意味、と顔を上げるとフロイドの目が目の前にあった。鼻がこすれる距離。身体があの長い腕に雁字搦めにされ身動きができない。
「お前が思っているよりも恋人らしい行動できってから」
「嘘」と言おうとした唇が塞がれてしまった。それからフロイドに反論する隙は与えられなかった。甘い時間は濃厚になりベッドから降りたのは時間がだいぶ経ったあとだった。
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